■清い空間をキープ脳をいつも清潔に

 では、庭って、いったい何かといったら、“自分がコントロールできない場所”なんだそうです。触ることはできても支配できない場所。例えば、春なのに「秋の花が咲け」と、いくら庭に念じても無理なように、自分ではコントロールできない場所。それが庭という場であって、宇野さんは「そういう場所を心の中に持っていないと大変なことになりますよ」とおっしゃる。

 私は、この話が、すごく面白いなと思いました。

「心の中に庭を持て」というのは、武田流解釈込みで言い変えると、こうなります。

「自分の中に清い空間をキープしておくこと」=「脳(頭の中)を、いつも清潔にしておきなさい」

 神社の境内を、いつも掃き掃除しているように、自分の頭の中も、いつもクリーンにしておく必要がある。脳を清潔に保つことで、頭の中に“余白”ができて、穢れのない清い空間を作ることができる。

 著者の宇野さんいわく、脳を清潔にするには「銭湯」と「洗濯」だそう。人間は銭湯(お風呂)に入っているときと、洗濯してるときに頭の中がすごく清潔になるんだそうですね。

 言われてみれば、オレはかあちゃんから、いっつも怒られててさ。風呂は入りたがらないし、洗濯物はめちゃくちゃな出し方をするし。

 この間も、かあちゃんから怒られたのよ。ポケットにティッシュを入れたまんま、洗濯しちゃってさ。

「そこで正座してろ!」

 こっぴどく叱られました。どうやら、私の脳は清潔に保たれていないようで……。

 たぶん何か考えごとでもしながら、ボケーッとして洗濯物に出しちゃったと思うんだ。考えごとで、いつも頭の中がぐちゃぐちゃっていう状態が、いかに、その人間にとってマイナスか。かあちゃんに叱られて、私は身をもって知らされました。

 年取るとね、ホントすぐ考えるのよ。あれやこれや考えちゃうんですよね。絶対良くないわ。これは身に染みて思うんだよね。年齢を重ねるごとに、“余計なことを考えちゃいけない”っていうことが、ものすごく頷けるのよ。庭と同じように、脳を、いつも掃除してないとダメなんですよ。

 さて、そんなわけで前段が長くなりましたが、そこから今回のテーマである『考えてはいけないことリスト』につながるわけです。

 脳の中の清潔度をアップするためには“考えないこと”、つまり“余白をつくること”が大事になってくる。そのためには考えることを減らすこと。“考えてはいけないこと”を考えないようにすること。

 考えごとで、いつも頭の中がグチャグチャではいけません。頭の中に“余白”という庭を作らないといけません。余計なことばっかり考えたり、心配ばっかりしているようじゃ、立派な年寄りになれませんよ。

 皆さんも少し考えてみませんか。「考えてはいけない」ということについて、考えてみましょうよ。

考えてはいけないことリスト
考えてはいけないことリスト

仕事の合間に、帰り道に、夜布団に入ってから  頭の中では絶えず「内なる声」が話し続けている。現代人の止まらない脳内の思考をどう止めるか。「考えなくていいことを考えすぎ」な自分を救うための、思考の取捨選択を提案する一冊。著・堀田秀吾、フォレスト出版

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武田鉄矢(たけだ・てつや)
1949年生まれ、福岡県出身。72年、フォークグループ『海援隊』でデビュー。翌年『母に捧げるバラード』が大ヒット。日本レコード大賞企画賞受賞。ドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)など出演作多数。