■炭酸カルシウムの膜を割り…

和歌山県和歌山市の『花山温泉』※画像提供/北出恭子氏

 近畿地方は、『花山温泉』(和歌山県和歌山市)。市街地にありながら、成分の濃さが全国屈指という、温泉通にはたまらない場所。

「超高濃度の天然炭酸泉で、大量の鉄分と塩分も含んでいます。つまり、トリプルで濃い。源泉の浴槽は26度ほどと冷たく、その横には加温した浴槽があります。

 冷たい湯と温かい湯を行き来する、温冷交代浴をすることで、疲労回復や血流を改善する効果が期待できます」(温泉専門家の北出恭子氏)

 日帰りでも十分満喫できるが、北出氏のオススメは、宿泊利用だ。

「宿泊者は朝の一番風呂に入れるんですが、そのとき、湯面には炭酸カルシウムの膜が張っている。パキパキと、それらをまるで流氷を割るようにして入る、ここだけの体験ができます。

 また、ここは飲泉も可能。味は独特ですが、飲泉には、胃腸を整える効果が期待できるので、ぜひ」(同)

 しみじみと温泉を楽しみたい人には、中国地方の『俵山温泉』(山口県長門市)を推したい。泉質はアルカリ性単純温泉で、

「山口県は、ロシアのプーチン大統領も宿泊したという『長門湯本温泉』が有名ですが、そのさらに奥地にあるのが俵山温泉です。

 温泉街には昔ながらの木造旅館が十数軒残り、宿ごとに大浴場は持たず、町の共同浴場を利用するという文化を今も色濃く残している。かつての湯治場の雰囲気が味わえます」(前出の早坂信哉氏)