相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。
先日終わった「大相撲パリ公演」は、初日優勝の大関・琴櫻と2日目優勝の横綱・豊昇龍との決定戦の末、琴櫻の総合優勝となった。
夏場所は途中休場して、7月の名古屋場所はカド番になる琴櫻だが、この優勝で奮起してほしいところだ。
公演以外の時間は、各力士は思い思いに楽しんだようだ。
驚いたのは、ロープウェイでモンブランに登った大関・霧島。高山病になりかけたそうだが、今はネットで、いろんな予約ができるから、オレらの時代より、かなり行動範囲が広がっている。
さらに、義ノ富士と伯乃富士は、強豪サッカーチーム・パリSGの本拠地で、着物姿に素足でドリブルを披露していた。
あと、高安や霧島は、奥さんが帯同した。以前は、新婚旅行を兼ねて、奥さんを巡業や公演に連れて来ることがあったが、オレはこっぱずかしくて、そういうことはできなかったな(笑)。
1995年に参加したパリ公演のとき、公演の道具一式が入っている倉庫が火事になり、化粧まわしなどが消失してしまったことを、前回、書いた。《【前回の記事】はこちらから》
どうも、放火の疑いがあるらしいとのことで、力士たちは極力外出を控えるように言われていた。幸い、事件や事故は起きなかったけれど、海外公演には、こうした怖さがある。
一方、91年のロンドン巡業のときは、景気が良かったこともあって、テレビ局が何局もついてきた。オレたちは、毎日のように特番の撮影に借り出されたよ。
忘れられないのが、千代の富士関と一緒に、ケンブリッジ大学のラグビー部を訪問したこと。