■ユダヤ系の渡来人が神社の創建に貢献か

 それだけでも興味深いのですが、さらに注目すべきは応神天皇です。

 応神天皇の時代、大陸から日本列島へたくさんの民族が渡来し、その民族が後に、“秦氏”を名乗ったという記録があります。そして、その秦氏が、八幡神社の創建に大きく貢献したという説があるんです。

 秦氏は、自分たちをこの国に受け入れてくれた応神天皇に感謝し、神社を作った。その際、自分たちの神様も信仰に組み込んだ。

 つまり、前述の土地神は、実は、海外の神様で、だから、日本の歴史に突然現れたのだと。

 また、秦氏は、ユダヤ系の民族だったと指摘する研究者もいます。現在、八幡は、“はちまん”と主に読みますが、古くは、“やはた”だったそうです。それが、ヘブライ語でユダヤ人を意味する“イェフダ”と、発音が似ていることから、八幡神社=ユダヤ神社だったのではないかとも言われています。

 真偽のほどは分かりませんが、八幡神社は、それだけ複雑な歴史背景を持った神社です。

『石清水八幡宮』(京都府)や、『筥崎宮』(福岡県)などを訪れた際、今回のお話を思い出していただければ、普段とは少し違った景色が見えてくるかもしれません。

貴乃花光司(たかのはな・こうじ)
1972年8月12日、東京都生まれ。88年、藤島部屋に入門。92年の初場所で、史上最年少の19歳5か月で幕内初優勝。兄・若乃花と「若貴フィーバー」を巻き起こす。94年11月に第65代横綱に昇進。幕内優勝22回。生涯戦歴は794勝で、「平成の大横綱」と呼ばれた。2018年に日本相撲協会を退職し、現在はテレビ、講演会等、幅広く活躍中。