■管理費や修繕積立金も急騰

「今、悲鳴が上がっているのが、管理費と修繕積立金です。人件費や資材費の高騰で建築費が2~3割上がっており、同じくらいの上昇幅が見込まれる。物価高による生活コストの上昇も加われば、二重・三重で家計を締め上げます」(前出の牧野知弘氏)

 ローン、管理費、物価高。三方から追い詰められ、返済に行き詰まれば、その先には、さらなる苦難が待つ。

「夫婦それぞれが住宅ローン契約を結び、1つの不動産を共同購入する“ペアローン”を組む人が多いんですが、離婚しても返済義務が残るし、物件を売却しても借金が残る“オーバーローン”に陥る可能性があります。すると、いつまでも争いごとが続く。これが、本当につらい」(前同)

 夢の住まいが、夫婦を縛りつける鎖になる。牧野氏は、こう締めくくった。

「都心部のマンション市場は、ここ数年、投資マネーで価格が押し上げられ、一般人の年収の十何倍もの金額を出さないと買えない状況になりました。パワーカップルはそこへ乗っかってしまったわけです。

 また、日銀が1.5〜2.0%ぐらいまで政策金利を上げるとの見方も。今後も、住宅ローン債務者には苦しい状況が続くと思います」

 タワマン勝ち組がローン地獄へ転落する日は、そう遠くないのかもしれない。

牧野知弘(まきの・ともひろ)
不動産事業プロデューサー。『オラガ総研株式会社』代表取締役。東京大学経済学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループ、三井不動産等を経て2009年『オフィス・牧野』を設立し、15年に『オラガ総研』を設立。不動産全般に関する取得・開発・運用・建替え・リニューアルなどのアドバイザリー業務を行う傍ら、講演活動を展開。著書に「新・空き家問題」(祥伝社新書)、「不動産の教室~富裕層の視点が身につく25問」(大和書房)ほか、30冊目となる最新刊に「50歳からの不動産~不動産屋と銀行に煽られないために」(中公新書ラクレ)がある。テレビ、新聞、YouTubeなどメディア出演多数。