東京・奥多摩で5月、死因は不明ながら遺体がクマにより食害されたと見られる事案が発生。隣の埼玉県でも2025年度には過去最多の172件のクマの目撃情報(前年度比64件増)があるなど、いまや日本全体の社会問題となっている、人里へ出没するクマ問題。
しかし、そんなニュースを耳にした隣国・韓国の反応は──。
「“駆除されたクマはどう処理されているんですかね? 処分に困っているなら、安く輸入できないものでしょうか”という声が、一部の人から出ているんです」(全国紙社会部記者)
この意外な反応の理由は、クマ本体ではなく、クマの“あるモノ”にあった。
「韓国では野生のクマがほぼ絶滅状態なのもあるのですが、“熊の胆(くまのい)”の需要が高いんです」(前同)
“熊の胆”は、クマの胆汁を乾燥させたもののこと。整腸やアルコール分解の促進をはじめ、さまざまな症状に効果があるとされる漢方薬だ。
韓国だけでなく東アジア全域で、漢方薬への信頼は根強い。
元韓国国立公園・種復元センターの韓勲尚氏が発表した「朝鮮半島におけるクマの現状と復元プロジェクト」によると、韓国では他国への輸出を目的として、1980年代に中国、日本、東南アジアからクマを輸入し繁殖が試みられたことがあったのだという。しかし、計画は頓挫し、そのほとんどが国内で処分されたようだ。
「韓国、中国、さらに周辺国のベトナムやタイなど、多くの東南アジアの国々が“熊の胆”を求めて過剰な捕獲を行い、頭数を減らしています。特に韓国ではDMZ(非武装地帯)を除き、一度地域絶滅、その後は国のレッドリスト種として保護されている状態です」
そう話すのは茨城県自然博物館長であり、クマ研究第一人者の山崎晃司氏。韓国のDMZとは、北朝鮮との国境付近で、人が立ち入れないため自然が保たれているのだそうだ。