LUUP(ループ)を中心とした電動キックボードのシェアリングサービスが急速に普及する中、ついに都心で死亡事故が発生した。

「LUUP乗車中の62歳男性が亡くなったのは6月2日のこと。東京・北区の交差点で軽貨物車と衝突しました。2023年の改正道路交通法施行によって、電動キックボードは“特定小型原付”という区分に入り、16歳以上であれば運転免許なしで乗れるようになった。ヘルメット着用も“努力義務”ということで済む。“自転車以上、バイク未満”という手軽さがウケて、都市部では急激に広まりました」(全国紙社会部記者)

 かねてより電動キックボードを危険視する声は大きかった。そのため、今回起きた悲劇に対しては「だから言わんこっちゃない」「逆に今まで死亡事故が起きなかったのが不思議」などとバッシングの嵐が吹き荒れている。

 ただし一方的に叩くだけで問題が解決するかといえば、そう単純な話でもない。自転車評論家で、本人も自転車ツーキニストとしても知られる疋田智氏は「使い方次第では役立つ乗り物」とプラスの面から切り出した。

「都会で15分くらい乗るぶんには快適なんですよ。たとえば赤坂から六本木に行くような、電車だと乗り換えが多く回り道になるような移動の際は、非常に便利。特にLUUPはポート(駐輪場)がすごく多いですからね。自転車に比べて面積が少なくて済むので、一般民家の軒先みたいなスペースにも2台くらいは置けるんです」(疋田氏=以下同)

 食わず嫌いをしている中高年も、一度使ってみると、その快適さからヘビーユーザーに転じることも多いようだ。ただ一方で、現在は電動キックボードから電動自転車にシェアリングサービスのトレンドは傾いているという。

「電動キックボードって立ちっぱなしじゃないですか。すぐ疲れちゃうんですよね。だから長距離移動には向いていない。また、曲がったり停まったりするたびにGがかかるから、中高年の方は筋肉痛になってしまう(笑)。あとは重心が高いからフラつくし、タイヤが小さいから段差も苦手だし、自転車みたいにカゴがついていないから荷物も運びづらい」