横綱、親方として、相撲を通じて日本文化や神事に長らく関わってきた貴乃花。自身が体験したことや、本を読んで学んだこと、そして、心に残った“ニッポンの魅力”を、歴史の話も交えながら伝えていく。

 古事記や日本書紀に記された日本神話の中でも、ひときわ有名なのが、“天岩戸開き”です。詳しくは後述しますが、その神話に登場する天岩戸は、宮崎県高千穂町に実在しており、現在は、『天岩戸神社』として信仰を集めています。

 私も、親方時代に参拝したことがあります。名勝・高千穂峡を訪れ、その流れで弟子たちを連れて、「ここは日本神話の舞台なんだぞ」と伝えました。

 そして、弟子たちの成績が上がりますように、ケガをしませんようにと、神様へご挨拶をしたんです。

 そのときに神主さんが1枚の古いサイン色紙を見せてくれました。うちの親父(元大関・貴ノ花=花田満)が、30年前に訪れた際に書いたものだったんですが、驚いたのは、その日付。

 なんと、私が参拝した日と、まったく同じ日だったんです。

 30年前の今日、親父もここに来たんだなと、不思議なご縁を感じました。これも神様のお導きだな、と。