■“呪いの言葉”を吐くことは自傷行為と同じ
……と、話が逸れました。他人をおとしめるときに激しく使う“呪いの言葉”ですが、実はこの言葉自体は自分と他人を選ばないそうですよ。つまり他人を責めて攻撃するときの言葉は、実は自分の体の中にも響いている。呪いの言葉を使うと、脳の中の前頭前野という一番深く物事を考えるところにグワーンと響くんですって。
つまり、ブーメランのように自分に返ってくる。
「クソ」だとか「盗人」だとか「ド厚かましい」だとかいう呪いの言葉は、他人に向くと同時に自分にも矢が飛んできて自分を傷つけてしまう。自分を刺している刃物と同じ。
つまり、呪いの言葉を吐くことは自傷行為と同じなんですね。
では、もしそういう人に遭遇した場合はどうすればいいのか?
皆さんも覚えておいてくださいね。これは武田式ではありますが、“その人から目を離さず見つめたままゆっくり後退する”こと。
言葉の激しい人と接した場合は、なるべくゆっくり後退したほうがいい。慌てて逃げ出すと、こっちに向かって攻撃してくる恐れがある。クマに遭遇したときの対策と同じ。ゆっくりゆっくり後退してその場を離れる。それが一番効果的です。
言葉に関していうと、『考えてはいけないことリスト』(堀田秀吾著・フォレスト出版)にはこんな風に書かれています。
私たちは「自分の意思で動いている」と思いがちですが、実はその行動の多くが、無意識のうちにまわりの言葉や環境に影響を受けています(堀田秀吾. 『考えてはいけないことリスト』. フォレスト出版, 2025=以下同)
よく言われる“やる気”というのも意思ではなくて、言葉で動くそうです。つまり“やる気”を出すのは言葉なんですね。
同書には「考えてはいけないことリスト」以外に「考えてもいいことリスト」も載っております。そのひとつが、【自己プライミング】。
自分の「やる気のエンジン」をかけるためのマジックワードを用意しよう(同)
「プライミング」というのは、先に受けた刺激(情報)が無意識のうちに後の認知や判断・行動に影響を与える心理現象のこと。
この場合は「言葉がやる気を起こす」ということ。
本書によれば、やる気を起こすには「がんばれ!」のような叱咤激励よりも、もっと心地よくて優しい言葉のほうがいいそうです。
例えば、「始めよう」でもいい、「一歩前に出よう」でもいい、「勇気」や「挑戦」なんていう言葉でもいい。決まりきった定型句ではなく、自分好みの“やる気ワード”を見つけて自分に言葉をかけてあげること。それが合図となって、がぜん“やる気のエンジン”を始動させることになるそうです。