■スマホを守るTPUケースが諸刃の剣に

 まずは、スマホの使用環境。これは人間の熱中症と同様と考えたほうがよさそうだ。

「一般的に、スマホは気温0度〜35度前後での使用が推奨されています。機種によっては、40~45度あたりから発熱対策で一部の性能に制限がかかります。さらに高温になると“高温警告”が表示されたり、充電に制限がかかったりする場合も。当然バッテリーにも負荷がかかるため、注意が必要です」(同)

 つまり、炎天下での長時間使用は、スマホも“熱中症”にかかる危険があるということ。さらに夏場の車内ともなれば、50度を超える超高温環境になる。人間同様、死に至る可能性すらあるのだ。

 ちなみに高温警告とは、熱による故障を防ぐため、スマホ自らが性能を抑える機能のこと。スマホには温度センサーが搭載されているのだ。

「一定温度を超えると意図的に性能を抑制することを“サーマルスロットリング”と言います。アプリの動作が重い、ゲーム中に画面がカクつく、カメラが強制終了する、充電速度が遅いなどの症状は、この機能によるものです」(前同)

 また、スマホのバッテリー状態も発熱の要因の一つだ。

「バッテリーが劣化した状態での使用や充電は、熱が大きくなりやすいです。そのまま使用を続ければ、起動しない、充電できないなどの不具合を起こす可能性があります。最悪の場合、バッテリーの膨張や発火につながる危険性もあるんです」

 iPhoneであればバッテリーの状態がチェック可能。ちなみにスマホスピタルでは、目安としてバッテリーの最大容量が80%未満の場合、交換を推奨しているという。

「Androidスマホは同様のチェック機能がない機種もありますが、電池の減りが早い、充電時間が長いと感じたら、交換を検討した方がいいかもしれません」

 昨夏の記憶を思い返すと、筆者のスマホバッテリーは最大容量が80%を大きく下回っていた。すでに新しいスマホに買い替えたものの、使い続けていれば発火の危険もあったかもしれない。

「他にも、炎天下で厚手のケースを付けたまま長時間ビデオ通話やライブ配信を行うのも危険です。耐衝撃性の高いTPUケースやシリコンケース、手帳型ケースなどは熱がこもりやすく、負荷の高い使用で発生した内部の熱を逃がしにくくなります。結果として、バッテリー劣化や動作不具合の原因になることがあります」(同)

 傷防止のため、スマホに厚手のケースを付けている人は多いはず。だがそれも、熱対策の観点では諸刃の剣になるようだ。