■熱中症対策には「真水」と「塩あめ」

 そして、昼間は、強烈な日差しと気温上昇がピークになる時間帯。水分補給が欠かせないのは言うまでもないが、どのくらいの間隔で飲めばよいのか?

「基本的には、“喉が渇いたら飲む”で大丈夫です。必要な水分量は、その人の体質や汗のかき方によって異なるため、頻度や量を、一律に決める方法はオススメできない。喉の渇きは、水分不足を知らせる体からのサインなので、その感覚に応じて、水分を補給してください」(前出の岡田正彦氏)

 ただし、何を飲むかが重要だという。

「水分と同時に、塩分も必ずとること。真水だけでは、汗によって失われた塩分を補えず、体内のナトリウム濃度が下がります。その結果、倦怠感や足のつり、筋肉のけいれんを引き起こす。

 夏に、ひんぱんに足がつるという人は、ナトリウム濃度の低下が原因の可能性があります」(前同)

 次ページの表にもあるように、“足がつる”のは熱中症の初期症状の一つ。けっして、軽視は禁物だ。

「理想の組み合わせは真水と塩あめです。最近はコンビニにも熱中症対策用の塩あめがあるので、上手に活用してください。

 スポーツドリンクを飲むのは、屋外作業や激しい運動で大量に汗をかいたときに限ること。塩分や糖分を多く含むので、ふだんから飲み続けると高血圧や肥満の原因になります」(同)

 また、外出時には紫外線対策も徹底してほしい。

「紫外線を浴びると、老化や病気の原因となる活性酸素などの、“フリーラジカル”が増えるという研究報告があります。長袖や長ズボンを着用して、日焼け止めクリームを塗って、できるだけ日焼けを避けてください」(同)

 もし体調に異変を感じたら、無理をせず、次ページの表にある対処法に沿って、正しく冷静にリカバリーをしてほしい。

【後編】では、晩酌のつまみも含む「熱中症対策の食材」を使った食事法や、寝室の環境作りについても専門家がアドバイスしている。《【後編】はこちらから》

坪田聡(つぼた・さとる)
医師、医学博士。雨晴クリニック副院長。日本睡眠学会、スポーツ精神医学会、日本医師会所属。医師としての診療のほか、高齢者を中心に睡眠障害を治療。睡眠専門医として、20年以上現場に立ち続ける。「快眠で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、睡眠の質を向上させるための指導や普及に尽力。ヘルスケア・コーチング研究会代表世話人も務める。

岡田正彦(おかだ・まさひこ)
医学博士。予防医療学のプロフェッショナル。1972年、新潟大学医学部を卒業。新潟大学名誉教授。水野記念病院理事、水野介護老人保健施設長。予防医療学を専門とし、米国心臓学会プロフェッショナル会員。2002年に臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」を受賞。長年、病気を予防するための診療をおこないながら、日本人におけるがんや血管障害などの危険因子を探るための調査にも関わる。ワクチンやがんなどに関する人気著書がある。