5月7日、YouTube連続特撮ドラマ『華衛士F8ABA6ジサリス』が、YouTubeチャンネル『GGE CHANNEL』にて、いよいよ公開される。
 本作は、『仮面ライダーディケイド』や『牙狼<GARO>神ノ牙―JINGAー』に主演した井上正大さんがプロデューサーを務め、キャストとしても出演をする新しい特撮ヒーローを創ろうというプロジェクトから始動した、過去に例を見ない特撮プロジェクト。
 今回、ピンズバNEWSでは、『ジサリス』の発起人である井上さんと同作品に出演、2002年放送の『仮面ライダー龍騎』では“秋山蓮/仮面ライダーナイト”を演じた松田悟志さんの対談を実施。
 仮面ライダー俳優の2人がアツい想いを語ってくれた――。【#1~3のうち1】

――本日はよろしくお願いします。あらためて、『ジサリス』を制作するに至った経緯と、松田さんたちを起用することになったキッカケを教えてください。

井上  まず“起用”って言葉が違うと思っていて。協力していただいて出てくださっている先輩方で、プロジェクトに賛同していただいて、ここまで感謝の念しかないですね。

 プロジェクトをなぜやろうかと思ったのは、特撮業界自体に僕は恩がありまして。『仮面ライダー』がドラマのデビュー作でやらせていただいて、そこからそのご縁で雨宮慶太監督の『牙狼』に出させていただいて。

 もちろん普通のドラマにも出ていますが、僕の中では“連続ドラマ=特撮”くらいのイメージです。特撮の大変さは肌身に感じていました。普通の人間ドラマだったら会話劇だけで終わるのが、特撮は変身したらアクションしなきゃいけないし、アフレコもあるし。役者としてカロリーが高くてやりがいを感じるし、ファンの方々も熱狂的な感じがすごいです。

 僕も年齢が上がって、自分で舞台やショートCMを作るようになっていきましたけど、連続ドラマと特撮というところに、目標というか1度はやってみたいコンテンツだったので、そこにチャレンジしてみたいな、と思ったのが最初のきっかけですね。

――メイキング動画を見ても、本当に本格的な撮影が行なわれているとわかります。スタッフはどれくらいいるのですか?

井上  めちゃ少ないです。『シン・仮面ライダー』のエンドロールはスタッフの数がすごかったですけど、ウチは少数精鋭ですね。最初はYouTubeやネット配信で無料配信なので、そこは制作費を圧縮しないといけないので、その中でどこまでできるか、というチャレンジですね。

――衣装なども、実にハイクオリティでしたね。

井上  舞台の仕事で出会った、クムスタイルの黒部さん。『牙狼』の衣装とかも作っていただいたんですが、その方にも協力してもらったり。そういう人とのご縁が全部つながっている形ですね。

――『ジサリス』を撮るにあたって、特に意識していたことは何ですか?

井上  今回、僕の立ち位置は作品の方向性とか、どこに対して何をするかとかを、メインに決めているんです。

 それで、今回の作品は“海外に向けた特撮を作りたい”が根底にあります。

――海外ですか!

井上  日本の特撮って、海外ですごく人気があるんですよ。日本だと感覚が麻痺している部分がありますけど、海外の人からすると“こんなの毎年作ってるなんて、日本人クレイジー!”って言われてるんですよ。

――『スーパー戦隊』にいたっては、もう半世紀近く毎週放送していますからね。

井上  毎週『ニチアサ(※日曜朝の放送枠)』見るのが当たり前じゃないですか。あれは本当にすごいことなんですよ(笑)。

 ようやく『仮面ライダー』や『ウルトラマン』が海を越え始めたんですけど、そこで海外に寄り添った形で特撮作品を作りたいな、と思いました。

 だから、今回の『ジサリス』は何か国語か対応して翻訳をしています。

 そして、それに適した監督やCGや、カメラマンやメイクさん……色々なスタッフさんを決めてお願いしているわけですけれど、今回の監督さんは、別に実績のあるわけではありません。でも、熱意と作品を作り切る能力はある監督で、そこが非常に大切。実は、途中で作品ができずに投げ出す監督は多いんです。

 だから、そこの信頼感がこのプロジェクトは一番大事でした。うまくいくかどうかも分からないプロジェクトに乗ってくださっていることがまず嬉しいし、作り切ってくれる、熱意を込めてくれることに非常に心打たれて、今回、監督を依頼しました。

――なるほど、よく分かりました。

『ジサリス』について語る井上さん 撮影:ピンズバNEWS編集部