■ジャミーンがバルカに戻ることを恐れている理由を“考察”する声も
そして第12話(第2シーズン2話)では、キプロスに移住していたアリが、乃木(堺)からジャミーンが日本で元気にしていると聞かされて安堵する場面もあったが――同シーンでは、乃木が「今なら(ジャミーンは)バルカでも安心して暮らせそうですけど」と話した途端に、アリが慌てた様子で、大声で「ダメです!」とモンゴル語で言い放ち、日本語で「やっぱり、日本は安全ですから……」と誤魔化すように笑う、という意味深な描写があった。
アリ自身がバルカに飛ぶことは快諾してもいるため、“バルカで何か事件が起こること”ではなく、“ジャミーンがバルカに戻ること”を警戒しているようにも見えた。
アリは、第1シーズンでいち早く「テント」内部の裏切り者に気づいたり、乃木を上手く誘導したりと、キレ者として描かれている。そのため、何か情報を掴んでいても不思議ではなく、
《なるほど、ジャミーン狙われるんじゃね?アリもこっち来るなって言ってたし》
《樊林杏の狙いはジャミーンだったりするかな?善悪を見抜くっていうのが、なんかのマジの力で、狙ってる的な?それをなんらかの形で知ってるアリは、だから、バルカはダメ!って言った?》
《ボスが孤児院の話に反応したのと、アリがジャミーンのバルカ行きを反対した感じからすると…シンシーのボスはジャミーンを探してる?》
といった、アリはハンたち「シンシー」がジャミーンを狙っていることを悟っているのでは、という考察が寄せられている。
前述のように、ジャミーンには「人間の善悪を直感的に見抜く力がある」と言われている。そして、思えば彼女には、第11話(第2シーズン1話)で、乃木の“内面”が見えていることを示唆しているかのような場面があったのだ。
まず前提として、『VIVANT』の主人公・乃木は二重人格者である。画面上では、同じ場面に乃木と別人格「F」の2人が立って会話しているような構図も多い。それは視聴者に向けた演出のはずだが――“乃木が自宅の玄関前で、薫とジャミーンに必死に言い訳するのを、Fが乃木の右後ろで面白そうに見ている”という場面で、ジャミーンの視線は乃木ではなく、「F」が立っている方を向いていたのだ。この描写には、
《柚木薫とジャミーンの視線の向いている先が違う。ジャミーンにはFが見えている…?》
《二重人格って実際には現実の別の地点に立ってる訳じゃない(ドラマでは分かりやすく分裂している)ので、これはジャミーンちゃんが乃木とFを区別できてるって匂わせだろうなー》
《人は目の前にいる人を常に見ますがジャミーンはその人の中身を見てる。なのでもちろん乃木さん自身も認識してますがもう一つの人格Fも見えてても何の違和感もないと思います》
といった、ジャミーンが持つ特別な能力が現われた場面なのでは――という考察が多く寄せられている。“人の内面を見られる”――それは、“究極のウソ発見器”とも言えそうだが、これをシンシーが狙っているということなのか。
シンシーは、ドラマ公式が“今作最大の宿敵”と明言していて、実際に第14話では、拉致された別班員たちが激しい暴行を受け、十字架の磔台(はりつけだい)に吊るされるというショッキングな光景も。彼らの狙いがジャミーンだとしたら、乃木は彼女を守り切れるのだろうか――。
特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲや藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。『VIVANT』第1シーズンでは考察を大いに楽しんだ。