「このご時世に、こんな値段で本当に利益が出るの?」

 食品から日用品まで、あらゆるものの値上げが続く2026年。外食も例外ではない。そんな物価高の世の中に“逆走”するような価格設定で、SNSを中心に注目を集めている居酒屋がある。

 全国に店舗を展開する「大衆酒泉テルマエ」(以下、テルマエ)だ。

 銭湯をモチーフにした店内に入り、まず目を引くのが壁にずらりと並んだ蛇口。もちろん、お湯が出てくるわけではない。蛇口をひねると出てくるのは、なんと酒だ。同店名物の「ひねり蛇口ハイ」は、客が自ら好きな酒や割り材を組み合わせるセルフ式の飲み放題。店舗によっては1時間398円という驚きの価格だ。

 しかし安いのは飲み放題だけではない。

 生ビールは209円(税込)、看板メニューの「テルマエ串」は1本77円(税込)。さらに時間帯限定の「早割・遅割」では、対象の看板商品が半額となり、テルマエ串は税別35円から提供されるという。

 SNSでも、その価格や蛇口から酒を注ぐ光景がたびたび話題に。運営会社によれば、InstagramやTikTokなどでは100万回以上再生された投稿動画も多数生まれており、それをきっかけに来店する客も多いという。

 実際、Z世代である20〜30代の若年層の利用者が多く、単に「安く飲みたい」だけでなく、銭湯風の店内で写真を撮ったり、蛇口から酒を注ぐ動画を撮影したりすること自体が来店目的になっているそうだ。

 とはいえ、気になるのはやはりその価格だ。食材費、人件費、光熱費が軒並み上昇しているなか、生ビール209円、串77円、そして飲み放題398円〜。安さで客を呼ぶための“赤字覚悟の商品”なのだろうか。

 運営会社に率直に尋ねると、返ってきた答えは意外にも明快だった。

 「利益はしっかりと確保できております」