■飲み残しは早めに冷蔵庫へ
保存温度も重要だ。ミルクティーは4度で1日保存しても菌数がほとんど変わらなかったが、24度、37度と温度が上がるほど増殖した。
「2~3時間で突然、爆発的に増えるわけではありません。ただ、37度前後では、7時間、16時間とたつにつれて増加が目立つと予想されます。真夏の車内への放置は避けてください」(同)
では、何時間までならセーフなのか。
「”何時間以内なら安全”と時間だけで線を引くことはできません。飲料の種類や保存温度、飲んだ人の健康状態で条件が変わるからです。1日後を調べているのも、現実に起こりやすい状況を想定したもので、“翌日まで飲める”と勧めているわけではありません」(同)
健康な大人が自分で口をつけた飲料を翌日に飲んでも、直ちに食中毒を起こすとは考えにくい。ただし、乳幼児や高齢者、免疫機能が低下している人、大きな手術を受けた直後の人は注意が必要だ。
「飲み残しは早めに冷蔵庫へ入れてください。4度で1日保存した実験では、菌数はほとんど変わりませんでした。ただし、冷蔵すれば何日でも飲めるわけではありません。ストローでも逆流すれば菌が入るため、清潔なコップに注いで飲むのが最も確実です」(同)
真夏のペットボトルは、「何時間たったか」だけでなく、どう保存したかが肝心なのだ。
佐藤拓一(さとう・たくいち)
新潟大学医学部保健学科検査技術科学専攻教授、副学科長(国際交流および広報担当)。新潟大学大学院医歯保健学研究科教授。博士(歯学)。臨床化学や口腔細菌、口腔衛生などを専門とし、飲み残したペットボトル飲料やスマートフォン、不織布マスクなど、日常生活で身近な物に付着・増殖する細菌や微生物について研究している。