■第1シーズンから続く松坂桃李・黒須の不憫ぶり

 黒須(松坂)を巡っては、第1シーズンの頃から“不憫キャラ”のイメージが持たれていたところがある。まず1つは、放送前に予告されていたメイン級俳優で、1人だけ登場が遅かったことが指摘されている。

『VIVANT』は放送開始前、堺雅人、阿部寛(62)、二階堂ふみ(31)、役所広司(70)、松坂桃李の5人が出演する福澤克雄監督作品――ということ以外の情報が徹底的に伏せられていて、誰がどんな役を演じるのかも不明だった。そして、堺、阿部、二階堂、役所は第1話から登場した一方で、松坂だけいつまでも登場せず。本人も第3話放送日の7月30日に《今週は果たして僕は出るのでしょうか? 今回もCMだけなのか?》と、Xでネタにしていた。

 そして、第4話で満を持して“別班の黒須”が初登場。同回ではダークヒーローのような雰囲気を漂わせていたが――第7話で乃木(堺)に銃で撃たれて重傷を負ったうえ、乃木と共に「テント」に拉致されてしまう。以降、黒須は第10話(第1シーズン最終回)まで「テント」に拘束されっぱなしに。その間にも、黒須なら避けられるという確信があったとはいえ乃木に銃で撃たれたり、縛られて宙吊りにされたり、スマホの顔認証を解除させるためだけに強引に起こされたりと不憫な展開が続いた。

 黒須は第9話ラストで、乃木が別班員を“射殺”(実際は急所を外して気絶させた)して「テント」の信用を得て潜入する極秘作戦を立てていたこと、黒須だけは避けられて肩を撃ってしまい、一緒に連れて行かざるを得なくなってしまったことを知るが、それまで精神的にもボロボロの状態だった。

 そして3年越しの第2シーズンでも、初回(第11話)でいきなり拉致されてしまい、第14話で登場したかと思えば、前述のように凄惨な暴力を受けていたのだ。そのため、第2シーズンでも不憫な扱いが続いていると感じているファンが多いのだ。

 第1シーズン初登場時の暗躍ぶりがピークだった感さえある黒須だが――ただ、第2シーズンは2クール放送されるし、一部では劇場版計画も報じられている。この先、黒須がこれまでの鬱憤を晴らすかの如く、大活躍する展開があるかもしれない。

 また、昨年10月に公開されたPV『総勢26名のキャスト発表!』では、まだ本編に使われていない黒須の映像も。傷跡が残ってはいるものの、腫れがひいた黒須が、バルカと見られる場所でパソコンを見ているのだ。《後ろの背景はバルカの最初いたゲル?で隣は乃木さんだね》《黒須のみ救出できたけど他の別班員はまあどこかに飛ばされたとか》といった“考察”も寄せられている。

 福澤監督が担当した『半沢直樹』などもそうだが、「日曜劇場」では、悪役が見くびって善人を痛めつけていたらその人物に足元をすくわれる、という逆転劇が描かれることが多い。黒須の活躍で、「シンシー」が崩壊に向かう展開も――。

特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲ藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。『VIVANT』第1シーズンでは考察を大いに楽しんだ。