熊本県で最大震度7を観測した大地震から、はや1か月。日本製紙八代工場では高さ80メートルの煙突が倒壊し、イオンモール熊本では大規模な爆発が発生。いまだ2000人以上が避難生活を余儀なくされるなど、被災地には深い爪痕が残る。
さらに8月中旬、今度は千葉県で線状降水帯が相次いで発生し、記録的な豪雨となった。大災害が相次いだ今夏。復興に向けて日本中から支援の手が差し伸べられる中、その善意につけ込む奴らがいる──。
それが、「義援金詐欺」だ。今回の熊本地震でも、すでに義援金詐欺や住宅修理トラブルなどが確認されている。
「消費者庁によると、地震発生日の7月28日から8月19日までに約60件の相談が寄せられています。10年前の熊本地震では、地震発生から1か月で、なんと752件に上ったといいます」(全国紙社会部記者)
元警視庁刑事で防犯コンサルタントの吉川祐二氏は「義援金詐欺は、本当に卑劣な犯罪です」と怒りを露わにする。
なぜ義援金詐欺は、災害直後から次々に現れるのか。吉川氏が解説する。
「災害が発生すると、支援のための寄付窓口がすぐに設けられます。設立が早いこと自体は大切ですが、こうしたドタバタに犯罪者も紛れ込んでくるんです。また、昔は募金を集めるにもある程度の手間がかかりました。今はSNSやメールで不特定多数に呼びかけ、スマートフォンから簡単に送金してもらえます。本来は寄付をしやすくするための仕組みですが、その手軽さを犯罪者は突いてくるんです」
その手軽さを悪用した最新事例として、国民生活センターが注意を呼びかけているのが「○○Pay型」だ。同センターは、関東地方に住む50代女性から寄せられた相談事例を公表している。
「フォローしていた飲食店のSNSアカウントから、『指定サイトで商品を買えば被災地に寄付でき、購入額以上をコード決済で返金する』とDMが届いたそうです。女性がリンク先からLINEグループに入り、指示通りに1000円を支払うと、実際に1200円が返ってきたといいます」(前出の社会部記者)
2回目以降も同じように返金され、グループ内の別の参加者も「返金された」と報告。女性は、この仕組みを信用してしまった。
「ところが、少額の支払いを繰り返した末に10万円を支払うと、返金がストップ。さらに“15万円を払えば、先の10万円も返す”と要求されたといいます」(前同)