■十字を切る男か、眼鏡の男か…2人の犯人候補

 1人目は、鈴木祥刑事(内野謙太/41)。第1シーズンでは、野崎(阿部)が乃木(堺)の経歴を調べる際に、経歴に記載された留学先の公立高校に在籍していなかった報告を見逃すという、初歩的なミスをしたことが注目された。

 鈴木はキリスト教徒であり、十字を切ることが多いが――シンシー側の“拉致した別班員を十字架に磔にする”という行動とリンクしているのでは……という声もある。

 また、第15話で、乃木の指示の下でハッカー・東条翔太(濱田岳/38)が公安部屋に監視カメラを探そうとして、その様子を和久井俊作刑事(田中俊介/36)にとがめられた際にも、鈴木は怪しい動きを見せていた。東条はその場を切り抜けるために“盗撮用カメラが仕掛けられている可能性がある”とだけ説明したのだが、ここで鈴木は天井を見上げていたのだ。実際、シンシーは天井の監視カメラ15台に細工していたのだが――なぜ、鈴木は“盗撮用カメラが天井にある”前提で動いたのか?

 このほかにも、鈴木を巡っては、第12話で野崎が公安部下を退出させた場面、第13話で野崎が佐野部長の部屋に入る場面で、イヤホンを装着するという不自然な行動をとっていることも指摘されている。

 そして、視聴者から疑いの目を向けられているもう1人の刑事は、和久井。黒フレームのメガネが印象的な刑事である。

 第12話では、野崎が公安の会議室で乃木ら別班サイドとリモートで会話するにあたって人払いをする際に、和久井が最後まで会議室のモニターを見つめ、名残惜しそうに部屋を出ていく――という、意味深な描写があった。

 また、野崎がシンシーと関係があることが別班に発覚したのは、「充電切れた」と和久井からスマホを借りて電話する姿が公安の監視カメラに映っていて、第13話で別班がその映像をハッキングして入手したから。この時点では、野崎は“裏切者”だと見られていたが、後に別班が佐野部長を尋問したことで、佐野も野崎も日本のために動いていることが明らかに――という流れだった。

 そうなると、極めて優秀な刑事である野崎が、わざわざ監視カメラのある場所で疑わしい行為を取ったことになる。これまでも野崎は“乃木なら真相にたどり着けるはず”という前提で動いていたところもあるため、和久井の姿を監視カメラに映したことは、何か意味があるのかもしれない。

 そんな、謎深い描写が多い鈴木と和久井には、

《野崎が佐野の部屋に入った瞬間に鈴木はワイヤレスイヤホンを付けた。 佐野の部屋のシンシーの監視カメラから会話を盗聴したんだろう》
《何故かシンシーに身柄拘束されてる別班員は十字架磔(略)十字架切ってる鈴木がシンシーの内通者???》
《東条が隠しカメラの話を始めた時 鈴木だけが天井(のカメラ)を見たから鈴木がシンシーと繋がっていると思った》

《野崎の部下にシンシーから送り込まれたスパイがいるとするなら和久井》
《過去に和久井が野崎をチラチラ見ているシーンもありますね》
《野崎さんだよ。彼ほどの人が防犯カメラのある廊下で、わざわざ和久井のスマホを借りて電話する?ぜったいになんらかの痕跡を残すためだよ》

 といった、考察が多く寄せられている。

 第17話で明らかになるであろう、公安内部に潜む内通者。その正体は――。

特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲ藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。『VIVANT』第1シーズンでは考察を大いに楽しんだ。