■メガおにぎりが誇る健康面でのメリット

 では、“王道”と見なされることが多いセブンイレブンは、どうなっているのか。

「もともとセブンは、ゴボウや枝豆を使った混ぜご飯系や、味付きご飯など、お米に変化をつけた商品に力を入れていたんです。

 さらには“相盛り系”も積極的に取り入れるなど、他社商品を熱心に研究している印象も受けますね」(前出の田沢氏)

 まさかの組み合わせを狙うローソン。インパクトで勝負を賭けるファミリーマート。 “正統派”のセブンイレブン。

 3社3様の高度な戦術によって、“秋のおにぎり戦争”は激化しそうだ。

「ローソンの『吉野家監修 具!おにぎり まるで牛すき丼』などは、普通サイズでは絶対に具が入りきらなかったでしょう。これは完全に発想の勝利。巨大おにぎりならではの意義が感じられますね」(前同)

 一方、管理栄養士の望月理恵子氏は健康面から巨大おにぎりについて説明する。

「まず単純に小さなおにぎりに比べてエネルギーがしっかりとれるというメリットがあります。さらには全体を大きくすることで、さまざまな具材が入れられるため、不足しがちなタンパク質や食物繊維も具材で補給できるんです」

 おにぎりのメインは、あくまでも米である炭水化物。しかし、仮に鮭おにぎりだったらDHAがとれるなど、具材によって全体のバランスが整いやすくなるのだ。

「主食・主菜・副菜をそろえるのが食事の基本です。巨大おにぎりには唐揚げや煮卵が入っているものもありますが、野菜の食物繊維が補えないものが多いので、具だくさんの豚汁などを一緒に食べるのはオススメです」(前同)

 また、白米の代わりに雑穀やもち麦を使用している商品も多く、健康面でアプローチしやすくなっている。

 さらに望月氏は、コンビニおにぎりの“変化”についても、次のように語る。

「コンビニ商品は保存期間を延ばすために、添加物が多いイメージをお持ちの方も多いと思います。でも、今は物流が発達していますので、昔言われていたような概念は取り払ってもいいのではないでしょうか」

 小腹を満たす脇役から、1個で腹を満たす主役へと躍り出たコンビニおにぎりの世界。この秋、おにぎり売り場の“巨大化”が、さらに進むかもしれない。

田沢竜次(たざわ・りゅうじ)
元祖B級グルメライターとして活躍。映画評、書評、60~70年代B級カルチャーなどにも精通する。著書に『B級グルメ大当りガイド』『ニッポン映画戦後50年』など。

望月 理恵子(もちづき・りえこ)
健康検定協会理事長、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、小田原短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。『栄養学の◯と×』、『やせる時間に食べてみた!』など著書も多数。