■「自作推しグッズ」販売・SNS投稿の“罪”を弁護士が解説
ドリカムのスタッフが注意喚起した《ロゴやデザインを無断で使用してグッズ等を作成し、コンサート会場などで販売・配布したり、SNS上に掲示したりする行為》とした場合、どのような法的責任を問われる可能性があるのだろうか。弁護士法人ユア・エースの正木絢生代表弁護士に解説してもらった。
――ファンがロゴやデザインを使って、グッズを作成、販売、配布、SNSへの投稿などを行なうことは何がまずいのでしょうか? どのような権利を侵害することになるのでしょうか?
「ロゴやキャラクターのイラストなどは、ファンだから自由に使えるわけではありません。たとえば公式イラストをTシャツやステッカーに印刷すれば、著作権の『複製権』を侵害する可能性がありますし、それをSNSにアップすれば『公衆送信権』の問題も出てきます。
また、登録されているロゴや名称をグッズに使用すれば、商標権侵害となる可能性もあります。ポイントは『お金を取ったかどうか』だけではありません。自分や家庭内で楽しむ私的使用には一定の例外がありますが、無断で多数作ってファンに配る行為は、無料であっても問題になり得ますし、たとえ自分用であっても、外部の業者に注文してTシャツやステッカーを作成する行為は、私的使用の例外から外れるリスクのある行為と言えます」(以下、正木代表弁護士)
――ファンがロゴやデザインを使用してグッズを作成、販売、配布、SNSへ投稿することで、具体的にはどんな罪・刑罰を受ける可能性があるのでしょうか?
「公式イラストなどを無断でグッズに複製すれば『複製権』、それをSNSに無断でアップすれば『公衆送信権』という著作権を侵害する可能性があり、いずれも10年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。また、登録商標であるロゴや名称を無断で商品に使用・販売し、商標権を侵害した場合も、10年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。
ただし、無料配布でもただちに合法になるわけではない一方、権利侵害があれば必ず刑事処罰されるわけでもなく、実際には使用方法や故意の有無、悪質性などを踏まえて判断されます」
――そうしたグッズを購入した人も罪に問われるのでしょうか?
「一般のファンが無断グッズを購入して自分で持っているというだけで、ただちに購入者まで著作権侵害罪や商標権侵害罪に問われるとは通常考えにくいでしょう。法律上、まず問題になるのは、権利者の許可なくグッズを製造したり、販売・頒布したりする側の行為です。
ただし、購入した商品を使ってさらに無断グッズを作ったり、販売したりすれば、その行為については別途、権利侵害が問題になります。今回、公式側が購入や受け取りも控えるよう呼びかけているのは、購入者をただちに犯罪者とする趣旨というより、無断グッズの流通そのものを抑える目的と考えるのが適切です」
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ドリカム側の厳しい注意喚起を受け、自作推しグッズを巡る行為が今後どう変わっていくのか、注目される。
正木絢生(まさき・けんしょう)弁護士
弁護士法人ユア・エース代表。第二東京弁護士会所属。消費者トラブルや交通事故・労働問題・相続・詐欺事件・薬物事件など民事事件から刑事事件まで幅広く多数手掛ける。
BAYFM『ゆっきーのCan Can do it!』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組などメディア出演も多数。YouTubeの「マサッキー弁護士チャンネル」にて、法律やお金のことをわかりやすく解説、ユア・エース公式チャンネル「ちょっと気になる法律相談」では知っておきたい法律知識を配信中。
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