■PBの酒も製造は大手メーカー

 では、10月以降はどう戦うべきか。前出の塩見なゆ氏が強く推す“弱者の兵法”は、やはりスーパーやホームセンターのPB、つまりオリジナル商品だという。

「少し前までPBの酒類には“安かろう、悪かろう”のイメージが先行していました。でも、もう、その考えは捨てたほうがいい。焼酎にしても発泡酒にしても、実質的に中身を作っているのは大手メーカーですから。はっきり言って、中身はメジャーな市販品と変わらないんです」(前出の塩見氏)

 有名タレントを起用したCMなどの広告宣伝費がかからない分、純粋に安く提供できるのがPB商品の強みというわけだ。

「さらにコスパを追求するなら、大容量の商品を選ぶのがベター。たとえば4リットルで売られているセブンプレミアムの『焼酎25%』は1941円。1杯50‌ミリリットルなら原酒代は約24円なので、極限まで節約して飲むことができます」(前同)

 焼酎は昔から“コスパの優等生”とされてきたアルコールでもある。

「PB以外だと、『大五郎』『ビッグマン』『博多の華』あたりも常連人気が高いブランドですよね。いまだに“悪酔いする”といった偏見を持つ人もいますが、思い込みを捨てて試しに飲んでみてください」(同)

 日本酒やワイン党も、今回の酒税改正を機に買い方を見直すべきかもしれない。

「日本酒はイオンの“芳醇辛口”が通の間でも評判がいい。ワインはオーケーストアの“デリ・ブティックワイン”が出色ですね。“都内一流ホテルのハウスワインと同じものを作ってほしい”とメルシャンにお願いしたそうです」(前出の流通ジャーナリスト)

 ウイスキーに関しても、“PBを大容量サイズで購入”という基本戦術は変えないほうがよさそうだ。

「トライアル、西友、カクヤス、カインズ、ドン・キホーテ……このあたりから出ている4リットルサイズの大容量ウイスキーは、飲んべえにとって本当にありがたい存在。自分の好みを探してみては?」(塩見氏)

 ただし、安い酒をストレートで流し込むだけでは味気ないのも事実。ここからが“激安晩酌”を格上げする腕の見せどころとなる。

「例えばイオンの安いウイスキーを買ってきて、強い炭酸で割る。そこにレモンを少し搾ったり、グラスをあらかじめ冷やしておいたりする。そうした“ひと手間”により、高級ウイスキー以上の満足感が得られたりするんです」(前同)

 財布のひもを縛っても、知恵と工夫次第で、値段以上の満足感を得られるのだ。

【後編】食文化研究家がオススメする酒のツマミは、食べ切りサイズの「コンビニPB冷凍食品」。他にも業務スーパーやオーケーストアのオリジナル商品なども狙い目だという。コスパ抜群のツマミ情報も見逃せない。《【後編】はこちらから》

塩見なゆ(しおみ・なゆ)
酒場案内人。酒場めぐりマガジン『Syupo』を運営し、これまで訪れた酒場は1万軒以上。大手メーカーで製品開発や、企画・広報を経て2016年に独立。テレビ東京『TVチャンピオン極 大衆酒場・せんべろ選手権』での優勝や、TBS『マツコの知らない世界』への度重なる出演など、確かな知識と経験を活かして酒場の楽しさを発信中。