■かつては“ドル箱”だった自動販売機
かつて自動販売機は飲料メーカーにとって“ドル箱”だった。2009年には全国約250万台の飲料自動販売機で約1兆9800億円を売り上げ、大手飲料メーカーの利益率は5割に迫っていた。定価販売ができ、品ぞろえもメーカー側が主導できる自動販売機は、重要な収益源だったのだ。
日本にここまで自動販売機が根付いた背景を、石田氏はこう見る。
「まず治安の良さがあります。日本では自販機のおよそ6~7割が屋外に設置されているといわれますが、海外では逆に6~7割が屋内です。日本では屋外に置いても、壊されたり現金や商品を盗まれたりするリスクが比較的低いので、街角のちょっとしたスペースにも次々と設置できたんです」
さらに、日本が世界に誇るアニメ文化の影響も大きいのではないかと石田氏は続ける。
「日本人は幼いころから『鉄腕アトム』や『ドラえもん』などの国民的アニメを通じて、ロボットと人間が共存する姿を見てきましたよね。だからこそ、自動化や無人化された機械を受け入れることへの抵抗感が少ない。こうした文化も、日本が自販機大国になった理由の一つだと思います」
だが、そんな“自販機大国ニッポン”の現在は、冒頭で見た通りだ。