出品者のなかで進むモラル崩壊
そして、「30th CELEBRATION」をめぐる騒動は、“プレミア”を作り出すだけでは終わらない。今回のトップレアとして高額取引されている「ミュウRGB」を利用し、購入者を誤解を与えかねない、詐欺まがいの出品まで現れている。
たとえば、「(美品)ポケモンカード ミュウ M6a G/RGBを入れていたローダー」という出品。画像にはローダーに収められたミュウRGBのカードが大きく写っているが、販売対象はカードではなく、あくまで“ミュウを入れていたローダー”だ。同様の出品は複数確認されている。さらに、ミュウを「普通紙印刷」したものと明記しながら、4万9999円で「SOLD」と表示された出品も確認された。
SNSでは、《ミュウRGB入れていたローダー詐欺 検索かけてみてるとマジでめちゃくちゃいた…》《画像付きだと売れてしまってるのは本当に怖い》《ミュウをカラーコピーしただけの紙が5万で売れるんやな》など、注意を呼びかける声や呆れる声が上がっている。
相場より安い高額カードが出品されれば、説明文をじっくり読んでいる間にほかの購入者に買われかねない。そんな“早い者勝ち”になりやすいフリマの特性を逆手に取ったような出品だ。
もちろん、商品名に「ローダー」「普通紙印刷」「印刷物」などと記載されている以上、個々の出品を直ちに詐欺と断定することはできない。しかしメルカリ自身は、「虚偽の情報もしくは誤解を招くおそれがある情報を記載すること」に加え、「商品の詳細がわからない取引」「販売を目的としない出品行為」「いたずら出品とみなされるもの」などを規約の中ではっきりと禁止している。「よく読めば書いてあるのだから、買った側が悪い」で済ませられるとは限らないのだ。
また、正攻法ではないやり方で高く買わせようとする出品者がいる一方で、相場よりも安く売ってしまったカードに対してキャンセルする出品者に対しての不満もSNSでは見られる。
今回の新弾で話題の復刻リザードンでは、発売直後に比較的安い価格で購入できたが、その直後に高騰。そのため出品者からキャンセルされたという報告が相次いでいる。しかも、その理由がなんとも不可解なのだ。
実際にSNS上に投稿された取引画面では、《梱包作業を行っていた最中に事故がありまして(息子との衝突)、商品に傷、折れ目がある状態になってしまいました》と、説明するケースがある一方、別のケースでは、《5歳の息子がオレンジジュースをこぼしたため破棄しました》《ポケットに入れたまま洗濯してしまった》《事故に遭い入院した》挙げ句の果てには、《息子は死にました》という“親”の登場報告まであり、話題を呼んでいた。
もちろん、こうした事情が本当に起きた可能性は否定できない。ただ、カードの相場が急激に動くタイミングだけに、購入者からは、《リザードンは保険で3件も買ってたのに全キャンセル》《自分もルギアとリザードン10000円以下で購入して音沙汰ないのでキャンセルされそう…》《これは本当にミスなのか? 検品までする人がこんなミスをするか? それともフェイクで急騰に伴い、売りたくないのか…》と、疑念の声が上がっている。
さらにSNSには、1万9500円で「SOLD」となったリザードンが、その後同じ写真を使って5万円で再出品されたとする投稿も。《リザードン買ってキャンセルされてその後再出品wwww》との声とともに2つの出品画面が掲載されており、少なくとも購入者側が「安く売ってしまったためキャンセルされたのではないか」と疑う状況が生まれている。