問われるメルカリの対応
ここでも問題になるのが、メルカリの規約に定められたルールだ。同社は「商品状態、紛失、売り切れなど」を理由とした出品者の自己都合による取引キャンセルや、取引中の商品を再出品する行為、購入後に値上げを要求する行為などを禁止している。また、トレーディングカードの出品で頻繁に目にする「すり替え防止のため返品不可」といった“出品者の独自ルール”も規約上では認められていない。メルカリは「商品に問題があっても返品に応じないという記載」を禁止し、「返品不可」「ノークレーム」「ノーリターン」「ノーキャンセル」などを具体的な違反例として挙げている。
しかし、ここまで具体的なルールが設けられているにもかかわらず、購入者を誤認させかねない出品が次々と現れ、不可解なキャンセルを訴える声も絶えない。怪しい出品を見つけ、SNSで共有して注意喚起するのも、結局はユーザー自身だ。
メルカリが今回、未開封品の出品禁止にまで踏み込んだことは確かだ。だが、それだけで「安心・安全な取引環境」が実現したとは、とても言い難い。
ルールを作るだけでは、安心して取引できる市場にはならない。ポケットモンスターの記念すべき30周年で浮かび上がったのは、ポケモンカード人気のすさまじさだけではない。悪質な出品を見抜くのも、不自然なキャンセルを疑うのも、情報を共有するのも利用者自身――。ユーザーの良心と「騙されないための自己防衛」に頼るフリマという仕組みの限界、そしてそれをどこまで運営側が取り締まれるのかが、改めて問われている。