■脳の判断を信じすぎる危うさ

 近頃ニュースを見聞きしておりまして、私にはどうしても分からないことがある。それは闇バイトで一儲けを企む若者たち。あの人たちの気持ちというか、心がまったくわからない。闇バイトの実行犯で捕まった彼らは犯行現場で逮捕されている。

 これ、おかしいと思いませんか?

 現場で逮捕されるというのは、犯罪者としてあまりにも稚拙です。大変申し訳ない。あまり使いたくない言葉ですが、この若者たちはバカですよね。

 自分たちがしでかした犯罪のために、このあと何十年も“身体”を拘束されることになるのは、はじめから分かってることじゃないですか。悪いことやるんだから。それなのに、現行犯逮捕されるというのはあまりにも稚拙です。

 金が欲しいという欲望に頭(=脳)が反応して、身体が無意識に行動した結果です。後悔という名の“心”が立ち上がってきても、手錠をかけられた後じゃ、もう遅い。

 高齢者にもこの手のバカとしか呼びようのない事故を起こす人が、残念ながらおられる。

 体調が悪くてフラフラしてるのに、運転して大事故を起こした老人。沖のほうに白波が立っていて海が荒れているのが分かっているのに、観光ボートを出して転覆事故を起こした老人もいる。

 申し訳ないけど、「考えれば分かるじゃないか」「見れば分かるじゃないか」という事件・事故なんですよね。これはどうやら山口先生のおっしゃる「心と身体を意識していない」というのは、若者たちだけじゃなくて老人たちにまで及んでる証拠ではないだろうか。

 では彼らの問題点はどこにあるか。

 この両者に共通しているのは、頭が「間違いない」「問題ない」と思ったら、「絶対に大丈夫だ」と信じて身体を動かしてしまったことによるミスではなかろうか。

 脳の判断を信じて行動した結果、とんでもない間違いを犯してしまった。

 山口先生は、頭だけで判断すると間違えますよとおっしゃる。

 曰く「身体の声を聞きましょうよ」と。

 闇バイトで逮捕された若者たちも、事故を起こした老人たちも、なぜこんな結末を予測できなかったのか?彼らの失敗は頭だけで考えて、身体で考えなかったことにある。

 これは武田流解釈ですが、人は無意識のうちに、自分の身体からのメッセージを脳が受け取って、心が形成されていくのではないだろうか。だからこそ、身体の声を聞かなければ、時として間違いを犯すことになる。