■混沌の巨人 本命・由伸か、"9回裏逆転"桑田か

 一方、宿敵・巨人の最大の懸案事項と言えば、橋上監督代行(60)の後任が誰かということに尽きる。

 巷では「大本命は高橋由伸、対抗に原辰徳」との見方が有力だが、実際のところは、はたしてどうか。

 読売グループの内情をよく知るスポーツジャーナリストの一人は、こう話す。

「原さん本人は、むしろやりたいでしょうし、組閣の面でも彼のお声がかりを断れる人は、まずいない。そういう意味では、やってやれなくはないでしょう。

 ただ、いくら伝統が大事と言っても、“そんな先祖返りでいいのか”との声は読売内部からも上がっている。決定権を握る山口寿一オーナーも、そこは悩みどころだと思いますよ」

 その点、まだ若い由伸には“昭和”的なネガティブなイメージは、ほぼ皆無。前回の監督時は、本人の意思に反して“引き受けざるをえなかった”という事情もあり、再登板を望む声は内部からも依然、根強い。

「2位を死守したとはいえ、阪神との戦力差は歴然。この状況を由伸自身が、どう判断するかでしょう。若手の台頭を伸び代と見るか、苦肉の策と取るか。

 本人も意欲がないわけではないですし、仮に前者なら、受ける可能性は十分あると思います」(前同)

 そんな由伸を後押しする要素があるとすれば、「次期中日監督の最有力候補とされてきた井端弘和・侍ジャパン前監督の去就が、まだ決まっていないこと」(同)だという。

 前ドジャースの外野手・ウォード(28)を獲得するなど、他に先んじて積極補強に動く中日。すでに井上一樹監督(55)は今季での辞任を発表したが、監督・コーチの人件費は最小限に抑えたいのが本音。そうなれば、侍ジャパンの監督で箔の付いた井端より、ほぼ同格の荒木雅博や今中慎二のほうが“手頃”なのだ。

「もし今、由伸が監督に就けば、同学年の盟友・井端を漏れなくヘッドに招聘できる。2人は“由伸が辞めるなら俺も”と同時に引退したほどの間柄。

 当の井端が中日の監督をやりたがっているのは事実ですが、神奈川出身の彼は、今も都内に拠点を置く。巨人の1軍ヘッドなら、中日の監督より条件面で上の可能性もありますしね」(同)

 では、由伸にもし拒否された場合は、どうなるか。

 ここで急浮上してくるのが、一度は「芽はなくなった」ともいわれた桑田真澄(58)の存在だ。

 現在、独立リーグ・オイシックスで最高野球責任者CBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)を務める同氏。生出演したラジオ番組で巨人退団の経緯を赤裸々に語ったことに上層部が激怒し、それが“脱落”の決定打になったとも言われたが……。

「一部では“手足となるブレーンがいない”とも言われていますが、“桑田が監督をやるときは、ヘッドは川相(昌弘)”と言われてきたほど、実は、あの2人の関係性は良好なんです。

 2006年に桑田さんが原監督と揉めて、先発予定の2軍戦を勝手に“退団登板”と発表したときも、当時、中日にいた川相さんがジャイアンツ球場まで激励に訪れたほどでした」(同)

 ちなみに、桑田&川相の両名はともに、かねて山口オーナーのお気に入り。一部報道では“桑田中日監督説”も浮上中だが、監督人事がオーナーの胸三寸だとすれば、“9回裏大逆転”での“桑田監督説”もうなずける。