■健康対策が裏目に出ることも

 コレステロールは、LDL(悪玉)とHDL(善玉)の両コレステロール、中性脂肪の3つの数値が重要だ。

「動脈硬化の指標となるLDLとHDLは、数値は急に良化しない。一定期間かけ、食生活の見直し及び、ウォーキングなどの有酸素運動とスクワットなどの適度な筋トレが必要です」(前出の医療ジャーナリスト)

 コレステロール対策として有効なのが、青魚だ。

「サバやサンマ、イワシなどに含まれる不飽和脂肪酸には、LDLを下げ、HDLを上げる働きがあります。

 週1〜2回食べることを習慣づければ、数値の改善につながるはずです」(前出の永田宏氏)

 一方、中性脂肪は10日間で改善の余地がある。

「体重を減らす、炭水化物を減らす、アルコールを減らすという3点を意識すれば、数値は確実に良くなります。特に食事の影響を受けやすいので、健診の前は、食べすぎや飲みすぎを避けましょう」(前出の秋津壽男氏)

 腎機能の指標であるクレアチニンは、腎臓の働きが低下するほど数値が上昇。慢性腎臓病(CKD)などの腎機能障害が疑われる。

「CKDは、腎臓機能の異常が3か月以上続く場合に診断が出る病気です。今や日本の成人のおよそ8人に1人、約1330万人とされています」(薬剤師)

 腎機能そのものを短期間で改善するのは難しいが、ある健康対策が、クレアチニンの数値を高くする引き金になるので要注意だ。

「クレアチニンは筋肉から生じる老廃物で、これをろ過して尿として排出するのが腎臓です。筋トレなど激しい運動をすると、一時的に増え、腎臓に問題がなくても数値が高く出ることがある。正確に測るためにも、採血の1週間前から激しい筋トレなどは控えたほうがよいでしょう」(永田氏)

 何事も、ほどほどに。

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【後編】血糖値や尿酸値、肝機能といった“中高年の天敵”も直前の対策で数値のコントロールは可能。ただし、専門家が「これは我慢したほうがいい」という条件も……。《【後編】はこちらから》

秋津壽男(あきつ・としお)
1954年生まれの総合内科専門医。大阪大学工学部醗酵工学科卒業後、和歌山県立医科大学医学部に入学。卒後、循環器内科にて「心臓カテーテル」「心エコー」「不整脈」を専攻。98年に、東京労災病院等を経て、品川区戸越銀座に秋津医院を開業。テレビ東京系『主治医が見つかる診療』では2005年の番組開始以来、18年間連続レギュラー医師を務めている。著書『長生きするのはどっち?』『がんにならないのはどっち?』シリーズがベストセラーに。

永田宏(ながた・ひろし)
1959年、東京都生まれ。長浜バイオ大学バイオデータサイエンス学科教授。1985年、筑波大学理工学研究科修士課程修了(理学修士)。オリンパス光学工業株式会社、株式会社KDDI研究所(いずれも社名は当時)、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授などを経て現職。専門は医療情報学・医療経済学。2005年、東京医科歯科大学から博士(医学)を授与される。『血液型で分かる なりやすい病気・なりにくい病気』『いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」』(後田亨氏との共著)ほか、著書多数。