■尿酸値や肝機能の数値は“断酒”で改善

 尿酸値が高い状態が続くと尿酸が結晶化して関節にたまり、痛風発作を引き起こす場合がある。その基準は7.0mg/dlとされる。

「ただし、痛風発作が起きる数値には個人差があります。7を超えて発作を起こす人もいれば、10でも平気な人もいる。そのため一概には言えませんが、基準値を超えたら念のため医師に相談する。そのくらいの認識でかまいません」(前出の永田宏氏)

 数値改善のカギを握るのは、やはり断酒だという。

「断酒が難しければ、ビールをやめること。尿酸値はプリン体の摂取量が影響するので10日間、日本酒や焼酎に替えるだけでも効果は期待できる。また、魚卵など、プリン体を含む食材も控えましょう」(前出の秋津壽男氏)

 また、健診当日は脱水状態に気をつけてほしい。

「体が脱水状態になると、血液中の尿酸の濃度も高くなる。少し裏技ですが、健診日の朝に水分をたくさんとることで数値が改善する可能性があります」(前同)

 肝機能の数値も、断酒によって改善が期待できる。

「AST、ALT、γ-GTPは、いずれも飲酒などで肝臓に負担がかかると数値が上がります。ASTは10〜20時間、ALTは40〜50時間、γ-GTPは約2週間で半減すると言われる。つまり、健診の2〜3週間前から断酒すれば、改善するはずです」(永田氏)

 ただし、ここで注意を一つ。健診前だけの短期間、断酒や尿酸値の項で記した水分補給で数値の改善を目指すのは本末転倒。その後も継続して健康に留意し、生活習慣を改善してほしい。

「一時的に数値をよくしても、ふだんの飲酒量などが体にどんな影響を及ぼしているのかを見るという、健診本来の目的を見失ってしまいます。また、病気を発見する機会を逃すことにもなりかねません」(秋津氏)

 最後に健診に際し、永田氏からこんなアドバイスが。

「健診の数値が悪かったからといって、落ち込む必要はありません。70代以降ならまだしも、50〜60代なら、まだまだ改善の余地がある。

 10日間でリカバリーできる数値は限られていますが、来年の健診までに改善しようという気持ちで、できることから気長に続けてください」

 目指せ、生涯健康!

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【前編】血圧をチェックするときに見落としがちなポイントや、やりすぎると逆効果になる健康対策なども紹介している。《【前編】はこちらから》

秋津壽男(あきつ・としお)
1954年生まれの総合内科専門医。大阪大学工学部醗酵工学科卒業後、和歌山県立医科大学医学部に入学。卒後、循環器内科にて「心臓カテーテル」「心エコー」「不整脈」を専攻。98年に、東京労災病院等を経て、品川区戸越銀座に秋津医院を開業。テレビ東京系『主治医が見つかる診療』では2005年の番組開始以来、18年間連続レギュラー医師を務めている。著書『長生きするのはどっち?』『がんにならないのはどっち?』シリーズがベストセラーに。

永田宏(ながた・ひろし)
1959年、東京都生まれ。長浜バイオ大学バイオデータサイエンス学科教授。1985年、筑波大学理工学研究科修士課程修了(理学修士)。オリンパス光学工業株式会社、株式会社KDDI研究所(いずれも社名は当時)、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授などを経て現職。専門は医療情報学・医療経済学。2005年、東京医科歯科大学から博士(医学)を授与される。『血液型で分かる なりやすい病気・なりにくい病気』『いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」』(後田亨氏との共著)ほか、著書多数。