■『メリーベリーラブ』は大成功?
ユビンが一夜にして地位も財産も失ったり、ケンカしていた夏凛とユビンが急に距離が縮めるなどの展開、画作り、効果音の入れ方が韓ドラの王道パターンなのに加え、チ・チャンウクの魅力を全面に出すため吹き替えではなく字幕で通している。配信視聴で韓ドラになじんでいるファンを意識しているのは明らかだ。
ただ、国内のドラマファンにはうまくなじまなかったようで、平均世帯視聴率は3%台と低調。しかし、定額制動画配信サービスのディズニープラスを見てみると、テレビショー部門ワールドランキングで最高2位、世界73か国および地域でトップ10入りと絶好調。有料の配信ドラマを見慣れている層には受けているので、視聴率は低くとも、十分成功だと言えるのだろう。
そして主役の今田だが、相手が外国人俳優のチ・チャンウクのため、お得意のテンションの高い会話劇が展開できず、24年4月期放送の主演ドラマ『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)などで見せた、豊かな表情や大きな瞳を活かした演技が、中途半端になっている印象だ。このままでは、“今田美桜のムダ遣い”になってしまわないかが心配ではある。
同じ韓ドラ系ではあるが、作りも狙いも大きく違う両作品。国内ドラマ好きなら『南田南弁護士は天才肌』、韓ドラ好きなら『メリーベリーラブ』といったところだろうか。これまでの韓ドラに寄せたドラマは、はっきり言って成功したとは言いがたかった。はたして今期の両作品は、それらの失敗を乗り越えていけるだろうか。
(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。