■店により違う顔を見せるのも魅力のひとつ
こうして古くから親しまれてきたチャーシューエッグは、大手チェーンにも進出した。2024年8月、松屋が「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」(2枚盛、税込1390円)を発売。期間限定ながら、チャーシューエッグは少しずつ身近な一皿になりつつあったのだ。
そして今や、専門店まで登場している。最後に訪れたのは、新橋にある『チャーシューエッグと豚汁』だ。2025年12月に煮豚専門店としてオープンした同店は、今年、チャーシューエッグ専門店に転換。売上は以前の約8倍になったという。
料理を待つ間、店内の客に来店のきっかけを聞いてみた。30代の会社員女性は、「SNSで話題になっているのを見て気になった」そうで、この日が初来店だという。
注文した「チャーシューエッグ定食」(税込1400円)は、店内でもテイクアウト容器で提供される。チャーシューはやや小ぶりだが、6枚も入っている。味付けは濃いのに、後味が全くしつこくないのは、さすが専門店。
下に敷かれているのはキャベツではなく、もやしと辛味ネギ。シャキッとした食感と辛味が、濃厚な肉のいいアクセントになる。旨みの詰まったチャーシューを食べ、野菜を挟んで、目玉焼きを食らう。八穀米と豚汁まで付いて、満足感も十分。思わず「うめぇ」と、ひとり言が漏れた。
ひと口にチャーシューエッグ定食といっても、今回訪れた3店には、それぞれの個性があった。だが、どれも人気を集めるのがうなずける味わいだ。ラーメンの脇役から主役へと躍り出たこの一皿が、定食の定番となる日も近いかもしれない。