■“激ヤセ”していたドラムに食事を大盤振る舞いしたのも伏線か

 そして、ドラムを巡るこれまでの描写。ドラムは、第17話でシンシーに拘束された時点では、衰弱してやせ細ってしまっていた。そこで野崎(阿部)はリュウ(堺)に、ドラムに10人前の食事を食べさせてやってくれとお願いしたところ、リュウは承諾。以降、ドラムは捕虜とは思えないほど豪勢な食事が連日ふるまわれた。ドラムが自力で脱獄しかけたのは想定外だったのかもしれないが、リュウと野崎は最初からドラムを助けるつもりだったのではないだろうか。

 実際、投獄当初、野崎はドラムと同じ牢屋に入れられ、自分の食事までドラムに譲っていた。その後、2人は別々の牢に移されたが、ドラムにはリュウが認めた「10人前」の食事が与えられ続けた。そうしてドラムは体型を取り戻し、結果的に第22話では6発の銃弾を受けながらも、分厚い筋肉によって弾丸が内臓まで達せず、一命を取り留めている。

 また、リュウがドラムを撃った件にしても、シンシーの工作員で、かつては野崎と組んでいたほどの優秀なリュウが、腹部に6発を撃ち込んだ後、頭部にトドメを刺すための弾を残していなかったのも不自然と言えば不自然ではないだろうか。乃木(堺)が別班員やベキにやったように、最初から急所を外して撃つ計画だったのかもしれない。乃木はドラムのレントゲンに写る弾丸の影を見て、意味深な表情を浮かべていた。

 さらに、リュウほどの人物が、弾の数を把握していなかったことも不自然では、という声も出ている。

 そうした要素に加えて、“野崎と思しき人物がチンギスにメールを送った”という点から、

《チンギスへの連絡。ドラムの解放。リュウと野崎が組んでいるのは確定よね。ちょっと殺したフリを乱発しすぎじゃ…と思うもののリュウがいつ表立った動きをするのかが楽しみ》
《おそらく野崎の携帯を持ってるのはリュウで、それを使ってチンギスに座標を示し誘導し、ドラムの合法的に脱出させたんだろうな そうすればジャミーンの件を乃木を介して別班に繋げる事が出来るし、自分も守るのを野崎だけに集中する事も出来るし、一石二鳥って所だろう》
《リュウのドラムへの連続発砲には驚いたけど、撃ち方の違和感やチンギスへのメールから、野崎側の人間であることはほぼ確定か》
《当初日本にはリュウが中心になって行く予定が、乃木がハンを怒らせてしまったために時期が早まってしまった。おそらく、野崎とリュウの事前の打ち合わせでは、リュウが日本でジャミーンを保護する予定と思われます。野崎が乃木の家をバラしたのは、ハンにではなくリュウに託すために話したと考えます》
《野崎さんがジャミーンの事を教えたのは、シンシーを呼び込んでの一網打尽じゃないかと…劉銘軒もその機会をず~っと待ってたと思うんです》

 といった考察が多く寄せられている。

 乃木家が絶体絶命の窮地を迎えるなか、シンシー本部で結託したリュウと野崎がハンに銃口を突きつけて形勢逆転――そんな考察もされているが、幼少期からシンシーの工作員であるリュウ。そして、すでにシンシーの手中に堕ちたとされている野崎。2人の“最大級の裏切り”によって、次回、事態は動くのかもしれない――。

特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲや藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。『VIVANT』第1シーズンでは考察を大いに楽しんだ。