■「ノリで結婚してみて離婚しちゃう人とか、そういう人がいっぱい増えて初めて平等なのかな」

ーー柚木さんは日本の同性婚が今後どんな形に展開していけばいいなとお考えですか?

 現状の日本では同性婚は出来ないですが、“愛し合う同性同士を祝福して、同性婚に賛成”という声が上がってきました。もちろんいいことですけど、愛はなくてもいいと思うんですよ。

 みんなが応援できる愛し合うカップルが結婚するのがゴールじゃなくて、まるで異性愛者のように、金目当てで結婚する同性愛者、自然発生的な大恋愛じゃなくて、婚活して、成し崩しに妥協して結婚する同性愛者。

 あとはノリで結婚してみて離婚しちゃう人とか、そういう人がいっぱい増えて初めて平等なのかなと思います。ただその制度があるかないかですね。

ーー最後に『オール・ノット』の読者に伝えたいことはありますか?

 今までずっと女性同士の連帯とか、人と人の優しい気持ちとかってうまくいかなかったとしても、巡り巡ってどうなるかわからないっていうことは言いたいなと思っていました。

 あとは、物事がうまくいかないと全部ダメだと思ってしまうけど、“全部ダメってことはないんだよ”ということは、別に性別問わず全読者の方に言いたいかな。

ーーありがとうございました。

柚木麻子/撮影・ピンズバNEWS編集部

■柚木麻子(ゆずき・あさこ)
 1981年8月、東京都世田谷区生。2008年、『フォーゲットミー、ノットブルー』で第88回オール読物新人賞受賞。代表作に『ランチのアッコちゃん』シリーズ(双葉社)、『ナイルパーチの女子会』(文藝春秋)、『らんたん』(小学館)などがある。最新作『オール・ノット』(講談社)が4月19日より発売中。