■『夕暮れに、手をつなぐ』との大きな違い

「4話目にして山田の“デレ”が多めでした。さらに、当て馬として綾華の初恋の相手が登場。さらに、弟の陸が偽装結婚の秘密に気づくという、スリルを感じさせる演出。まさに王道の恋愛ドラマの要素満載で、見る側の期待に答えるドラマの作りをおさえていますね」(ドラマライター/ヤマカワ)

 視聴者の声もその王道っぷりを楽しんでいるようで、ツイッター上では、「一般人からかけ離れた山田涼介と橋本環奈のビジュアルとキャラ。自己投影できそうにないレベルなのが正解」「まじでTBSさんのジャニーズ×少女漫画×ラブコメのノウハウを大発揮しまくってるな」などと好評だ。

「前期の『夕暮れに』は、脚本家・北川悦吏子氏の個性を前に出した作家主義。視聴者を驚かせるエピソードが多く、“ザ・北川脚本”でしたがそれが逆効果となってしまい、視聴者が離れてしまいました。一方で視聴者にウケる要素を見極めて作られた『王様に捧ぐ』は真逆で、令和のドラマといっていいでしょう。どちらが好まれるかは、数字がはっきり物語っていますね」(同上)

 近年は韓国ドラマなど、優良なドラマコンテンツが手軽に見られる状況になっていて、視聴者も目が肥えてきている。ドラマを作るにも、どんなものが求められているのか、入念なリサーチが必要となってきているのだろう。

 次回は、当て馬の坂東が本格参戦。初恋の相手同士のデートと、それを尾行する山田という、王道のラブコメ展開が楽しめそうだ。また、東郷と母親・静(松嶋菜々子/49)との確執も描かれるようで、ますます目が離せない。