高橋一生(42)が主演で人気を博してきたドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK)。2020年から毎年12月末に放送される年末の風物詩となっていた同作は映画化され、5月26日に劇場版『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が公開。公開3日間で興行収入3億1400万円を突破し、大いに話題を呼んでいる。
もともと、“岸辺露伴”というキャラクターは、荒木飛呂彦氏による漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』の登場人物だった。漫画にはどこまでも真摯で“リアリティ”を追求するためなら何でもやる、天才変人漫画家である。そして、そんな露伴を主役にしたスピンオフ漫画『岸辺露伴は動かない』シリーズが、高橋主演で実写化されたのだ。
『ジョジョ』および“露伴先生”はコアなファンが非常に多く、実写化に難色を示すファンも多かったが、実際にドラマ版が放送されると、評価は爆上がり。スタッフのこだわりとリスペクトを感じる脚本、濃い登場人物たち、小道具、何より原作ファンでもある高橋の圧倒的な演技力から、多くの“ジョジョラー”たちに受け入れられた。
そんな“高橋露伴”を語るうえで欠かせない要素に、ゾッとするほどに何を考えているのか分からない、“目”の演技がある。“鋭い眼光”や“力強い眼差し”とも違う、好奇心に満ちてはいるが、それ以上に底知れない恐怖を感じる、常人には決して出せない深淵を覗いているような瞳である。