■「人間を超越した感じ」な声の演技を見せたことも
その後、成人してからも高橋は特撮作品へゲスト出演する機会が多く、有名なところでは2001年放送の杉浦太陽(42)主演作『ウルトラマンコスモス』(TBS系)の第21話・第22話・第63話に“主人公の同期の隊員・ミツヤ”役でゲスト出演。
当時キャリアの浅かった杉浦は、すでに芸歴10年の高橋の演技力について、
「演技がうますぎて……。一緒に星を見るシーンがあったんですけど、芝居のレベルが違いすぎて『恥ずかしい!』って思いましたね」
という心境だったと、2021年に行なわれた20周年イベント『ウルトラマンコスモスナイト~20th Anniversary君にできるなにか~』で、絶賛していた。
また、『ウルトラマン』といえば2022年に映画『シン・ウルトラマン』が大ヒットして社会現象となったが、同作でリピア(ウルトラマン)の声優を担当していたのも、高橋だった。樋口真嗣監督の「人間を超越した感じを出してほしい」というオーダーを高橋はしっかりと表現しており、神秘性を感じさせる演技を披露していた。
『岸辺露伴は動かない』でも、高橋は原作の“じゃあないかッ”“じゃあないぞォ?”といった独特の喋り方の演技や発声が高く評価されている。幼少期から優れていた目の演技と、『シン・ウルトラマン』でもいかんなく発揮されていた声の演技。
今回、スクリーンで見せている怪演は、これまでの役者・高橋一生の集大成と呼べるかもしれない――。