■福山『ラストマン』にも惜敗の決定的な「絶対理由」
また、刑事ドラマにはお約束のコメディリリーフやギャグシーンの不足も、指摘されているという。
「たとえばギャラクシー賞も獲得した2020年放送の『MIU404』(TBS系)や、長寿コンテンツの『相棒』(テレビ朝日系)など、人気の刑事ドラマなどと比べると、その差は歴然です。
逆に言うと、『教場0』で毎回ユルい雰囲気で新人刑事に絡む、堀田真由さん(25)が演じる事務員の幸葉だけは、視聴者に“和む”“唯一の癒しキャラ”として好評なんです。今回の作品でいちばん得をした女優は堀田さんじゃないか、とさえ言われています」(前出の制作会社関係者)
正月休みの2時間ドラマならいいが、毎週放送される連ドラとしては、『教場0』は暗すぎた、ということか……。
「放送前は、福山雅治さん(54)主演のTBS日曜劇場の『ラストマンー全盲の捜査官ー』が同クールのライバルとされていました。同じ“新しいタイプの刑事ドラマ”“主演がイケオジでこれまでにない役”という共通点がありますからね。
ただ、『教場0』は『ラストマン』に世帯でもコア視聴率でも負けてしまっています。もちろん、日曜日放送と月曜日放送の作品を比べるのはフェアではありませんが。
その『ラストマン』で福山さん演じる盲目の捜査官は、飄々とした明るくユーモアのあるキャラです。常に厳格な風間と比べて、視聴者もリラックスできますよね。それが、作品全体の楽しい雰囲気にもつながっている。
『教場0』は、とても重厚な、しっかりとした作品になっていますが、結局のところ視聴者の拡大がならなかったこと、むしろ初回から一定数の視聴者が離れて行ってしまったことの“絶対的な要因”は、シンプルに“ドラマ全体の雰囲気が暗くて、観ていて息苦しい”ということでしょうね。
“重すぎて観るのがつらくなった”そうした声は、リアルでもネットでも多く上がっています……」(前同)
シリーズ化を福山が狙っている『ラストマン』と、人気が出てシリーズ化した『教場』。4月クールの二大連ドラは明暗が分かれたようだ。