■胸キュンが物足りないワケ

 たしかに、設定に目新しさはなく、どこかで見たような物語で、ストーリー展開というより、メインの井上、佐藤、松山の演技力で乗り切った感は否めない。平均世帯視聴率は7.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、同枠ドラマとしては及第点だが、実力派人気俳優を3人揃えたにしては、物足りない数字だろう。

 また、“おかゆキス”が視聴者の間で盛り上がっていたが、これも『恋つづ』最終回で見られた、七瀬(上白石萌音/24)と天堂(佐藤健)の“パンキス”の二番煎じ感は否めない。胸キュンシーンまで新鮮味に欠けるとなると、今回も佐藤が出演するといえ、『恋つづ』ほどのヒットは望めないだろう。

 今回のラストで、殺人事件現場の防犯カメラに、直木の姿が写っていたことが明かされており、今後の盛り上がりは直木と事件との関係次第かもしれない。メインの3人以外にも、荒川良々(48)やインパルスの板倉俊之(44)など、クセのある俳優を揃えているので、このままゆるい恋愛ドラマで終わらないこと期待したい。(ドラマライター/ヤマカワ)