■「原点」の特撮で見せていたアクションスターの片りん

 そんな横浜は2014年放送の志尊淳(28)主演の特撮ドラマ『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日系)に出演していた、特撮俳優としての顔を持つ。

『トッキュウジャー』は、列車や鉄道をモチーフにした戦隊ヒーロー。人が持ち合わせている“イマジネーション”が原動力の戦隊であり、トッキュウジャーたちは、まるで子どものようにのびのびとしたイマジネーションに満ち溢れたヒーローとして描かれた。

※東映特撮YouTubeチャンネルより

 コミカルなギャグなどで緩和しているが、初期メンバー5人の「小学校時代に秘密基地で遊んでいた幼馴染だが、ほとんどの記憶が欠落している。自分たちの本名さえ分からない」という序盤から敷かれていた謎の真相など、本筋は実にシリアスな作品でもある。

 とりわけ終盤の展開は、メイン視聴者の子どもではなく、その親が感情移入せざるを得ない悲痛な内容だった。最後は救いのある展開となったが、当時「辛すぎる」「小さい子を持つ親なら絶対泣く」と、大いに話題になったのだ。

 当時、高校生の横浜にとって本格的に“芝居”に目覚めた作品であり、

《トッキュウジャーで“この世界で生きていこう”と決めたので。1年間、役と作品に向き合うのはなかなかできない経験。芝居の面白さに気づき、親と相談して“やりたいことをやれ”と言われたので、大学進学ではなく“芝居”に決めました。(トッキュウジャーは)原点です》

 と、2019年7月に映画『愛唄 ―約束のナクヒトー』トークイベントで語っているほどだ。

 当時、横浜が演じていたのは “ヒカリ/トッキュウ4号”。気分次第で行動するクールガイで大人びた性格だが、推理小説に影響されて「けん玉探偵ヒカリ」を名乗ったり、根は子どもらしさが残っているキャラクターだった。

 特筆すべき点は、“ライト(志尊)の祖父の空手道場に通っていて、空手が強い”という設定だ。これは、横浜の提案を取り入れたものだと公式で明かされている。