■ニチアサ時代から見せていたギャップの光る演技
志尊は、その“かわいい系”のルックスから、竹雄に限らず人懐っこく純朴な感じのキャラクターがよく似合う俳優である。
しかし、その一方で、第51回で見せたシリアスで熱い場面を筆頭に、力強い説得や、覚悟を決めた際の表情の演技なども高く評価されている俳優でもある。
それは、志尊にとって初の主演連続ドラマだった、2014年放送の『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日系)時代から、同じだった。
列車や鉄道をモチーフにした戦隊ヒーロー『トッキュウジャー』で志尊が演じていたのは、主人公でリーダーの“ライト/トッキュウ1号”。トッキュウジャーの原動力である“イマジネーション”が人一倍強く、幼馴染であるトッキュウジャーの初期メンバー5人組からも信頼されているキャラクターだ。
当時の志尊は19歳だったこともあり、あどけなさが残った顔立ちは、子どものような無邪気で自由奔放、天真爛漫なライトのキャラクター像と非常にマッチしていた。赤を基調にしたアメリカンカジュアルなファッションも、志尊の年齢に比べるとちょっと子供っぽいのを違和感なく着こなしており、好評だった。
ちなみに志尊は『トッキュウジャー』が役者として大きな転機だったことを、
《映像経験が少ない中で「トッキュウジャー」という作品の看板になり、いきなり全国に名前が出るということは不安やプレッシャーもありました。ですが、「トッキュウジャー」で芝居の技術や責任感、現場の雰囲気の作り方など多くのことを学ばせてもらいました。10代最後の作品にもなりましたが、意識を変えさせてくれる場でもあり、良い機会に良い作品に出演させていただけたことに感謝しています》
と、2015年に『モデルプレス』のインタビューで語っていた。
そんな『トッキュウジャー』は、全体的に明るい雰囲気を漂わせつつ、本筋はかなりシリアスな作品として、特撮ファンの間では有名であり、それが志尊の演技との相乗効果で際立っていた。