■厳しいのは視聴料で成り立つNHKと……

 それはテレビ局が制作するドラマでも同じことが言えるという。

「大手テレビ局が厳格に多額の違約金を請求したりすれば、プロダクションと局との関係が切れてしまうリスクがあります。そのため、制作費の賠償などはある程度妥協する。そのうえで、次のドラマや局の大型番組に、数字が取れるだろう人気俳優やタレントを特別なギャラで優先的に使わせてもらう、といった取引が行なわれることがままあるといいます」

 1回の違約金、賠償金で関係を終わらせるのではなく、今後も関係を続けていく、という前提での解決策といえるだろうが、容赦なくドライにカネを取り立てるところも存在するという。

「1つは、NHKです。国民から徴収する視聴料で成り立っていますからね。うやむやに“取引”で終わらせるわけにはいかない。不祥事のために発生した損害は、しっかりと事務所に請求をするわけです。

 最近の例では、木下ほうかさん(59)の騒動がいい例ですね。木下さんは、2022年4月期に放送された山下智久さん(38)主演の連ドラ『正直不動産』で主人公の上司役として出演する予定で、すでに撮影も済んでいた。

 ところが、『週刊文春』(文藝春秋)が報じた女優2人に対する不祥事が原因で、放送のおよそ1週間前の3月28日に芸能活動の無期限休止を発表。それを受けて、『正直不動産』は代役は立てずに、木下さんの出番を完全にカットして放送しましたが、そのあまりにも大幅な再編集にかかった費用は事務所に請求されたといい、それはとんでもない金額だったといいますね」