■鬼越トマホークが“ガチ凹み”した過酷企画

 2022年10月の『水ダウ』では、新企画「突撃!隣の冷蔵庫」を放送。タレントのヨネスケ(75)が巨大なしゃもじを持ち、一般人の自宅を訪問していく『突撃!隣の晩ごはん』(日本テレビ系)を参考にしたもので、チャレンジャーたちが訪問先の冷蔵庫の中身をすべて食し、そのタイムを競うという内容だった。

 同企画にはお笑いコンビ・ママタルト大鶴肥満(31)と鬼越トマホークの坂井と金ちゃんが「大食い芸人チーム」で参戦。自力で交渉をしなければいけないことから、各チームが難航する中、認知度が低い「大食い芸人チーム」は特に苦戦。30軒以上を訪問するも、すべて断られてしまい、32軒目となった家では軒先で怒られてしまうことに。

 その様子を遠巻きから撮ったカメラには「はい、はい、すいません……」と謝る3人の姿だけが映し出され、その後、金ちゃんは「いや普通に怒られたよ」「“何なの?”って言われて企画説明したら“帰って!”って(言われた)」と落ち込んだ様子で、坂井も「だいぶ怖かったよね」と漏らしていた。

■『水ダウ』は“行き過ぎたコンプラ”と戦う番組

 制作会社ディレクターは話す。

「あの企画は拘束時間が相当長かったそうですよ。大食い企画でしたが、舞台は一般人の自宅ですからね。どんどん認知度が広がっている鬼越トマホークですが、当時は今よりも知名度は低かったでしょうし、しかも何より強面の2人。多くの一般人がなかなか取材に応じてくれなかったといいます。

 それに運良く承諾を得ても、今度はその一般の方々の冷蔵庫の中身を食べる必要がありますし、一般の方に出してもらったからには残すわけには絶対にいかない。ちょっと食べるところを撮って終了というわけにもいかず、史上最高レベルで大変な仕事だったようですよ……」

 ガチンコな『水ダウ』は多くの視聴者から絶大な支持を得ており、たとえば6月14日放送回のコア視聴率は4.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、同時間帯でダントツ1位だったという。

「その6月14日の放送回は『マリトッツォもうどこにもない説』が放送されました。マリトッツォは2021年に流行ったイタリアのスイーツですが、都内の販売店でそれを買い占める内容にSNSでは批判の声も上がりました。しかし、当然、面白いという声も多数あり、結果、高いコア視聴率を記録したわけです。

 ダウンタウンの松本さんと浜田雅功さん(60)の番組ということが大きいのでしょうが、TBSサイドもコンプラの限界に挑戦しているというか、昨今の厳しすぎるコンプラと戦うと腹を決めているようにも見えますよね。

 たびたび炎上し、警察沙汰も引き起こしている番組ですが、局内では“打ち切りにしよう”という話などいっさい上がらないそう。視聴率も高く、影響力も大きいですから出演する芸人にとってもありがたい存在。ただ、あまりにもガチでキツすぎるから悲鳴も上がっている、ということですね」(前同)

『水ダウ』は過剰なコンプラを打破する番組として、芸人やテレビマン、そして何より多くの視聴者から常に注目を集めている。