■3つの中では『100万回 言えばよかった』がトップ
「どれも甲乙つけがたい」と語りつつも、木俣氏がイチオシの作品として選んだのは井上真央・佐藤健の『100万回 言えばよかった』だった。
「『100万回~』は、恋愛ものと思っていたら、恋愛を軸にしつつ、ミステリー、ファンタジーなどいろんな要素を盛り込んでいる作品という印象が強かったですね。なぜ佐藤さん演じる直木が幽霊になってしまっているのかという謎など、これらの仕掛けが徐々にわかってくることを期待したいですね。気軽に楽しめますし、登場する料理がおいしそうで、ハンバーグが食べたくなりました(笑)。シンプルに味覚を通して、奇想天外な物語を実感できるようになっているところが巧いと思います」
そして、『星降る夜に』ではろうあ者である一星の描かれ方が新鮮だった、と木俣氏は続ける。
「一星がヒロイン・鈴の母の葬式で、遺品整理という自分の仕事を売り込むんですが、まったく相手にされず、興味深かったです。『星降る夜に』が新しいなと思ったのは、ろうあ者に対して、コミュニケーションをとることが難しいというネガティブな感覚が作中の誰にもない、当たり前に対等に溶け込んでいるところがいいなと思いました」
広瀬とキンプリの永瀬が出演している『夕暮れに~』の印象深いシーンについて、「永瀬さんの登場シーンは印象的でした」と木俣氏は続ける。
「やっぱり最初の出会い、ワイヤレスイヤホンを横断歩道で落として、偶然同じ曲を聴いていた人とイヤホンが入れ替わってしまうというのはドラマチックなシーンでした。その後、2人がまた何回も会っちゃったり、ホテルのスイートルームの窓から空豆が音に大声で話しかけたり……というところはややベタかなあ、と感じましたが(笑)。
最初、永瀬さんのモノローグから始まりましたが、第1話の時点では広瀬さんの印象が強かったですが、永瀬さんは『おかえりモネ』で演じたヒロインの幼なじみ・“りょーちん”役で見せてくれたような、やや陰のあるところも魅力的な方なので、第2話、3話以降でそういった面が見られたらいいなと思いますね」