■『スカーレット』は「崩壊と再生」が描かれた

『スカーレット』は、2019年放送の戸田恵梨香(34)主演の朝ドラ。戸田が演じていたのは、陶芸家の川原喜美子だった。公式が「モデルではない」と明言しているが、実在の女性陶芸家・神山清子さんを参考にしているともされる人物である。

 このヒロインの喜美子を物語中盤まで支えていたのが、松下洸平(36)演じる夫の八郎だったのだ。

「もともと貧乏な喜美子でしたが、穴窯に没頭し始めてからは家計も顧みずに窯焼きに巨額の資金を投じ、それを八郎が必死に支えようと苦心していました。ここは『らんまん』と一緒ですね。違いは途中で八郎が限界を迎えたことで、夫婦関係は悪化し別居してしまいます。

 しかし、最終的に復縁こそしなかったものの、良好な関係を再構築することに成功。最終回は、八郎が長崎で陶芸家として再出発することを告げる、清々しいものでしたね」(前出のテレビ誌ライター)

 松下は、

《八郎と喜美子に関しては、もう距離の問題ではないんですよ、きっと。ここにいようが、遠くに離れていようが、二人にとって距離は問題ではなく、お互いの存在そのものがかけがえのないものなんだと思います》

 と、2020年3月29日に『オリコン』インタビューでコメントしている。

「『らんまん』の寿恵子の場合は、『スカーレット』のように夫婦仲が極端に悪化することはないと思われますが、パートナーに苦労させられる、という点では通じるものがありそうですよね。史実のように“うちには道楽息子がいるもので”と明るく話す浜辺さん、もとい寿恵子の顔は容易に想像できますが、1度くらいは大げんかをして、そこから関係を再構築するような展開もあるかもしれませんね」(前同)

『スカーレット』では喜美子を支える八郎が大人気を博した。『らんまん』でも、研究に没頭する万太郎をフォローする寿恵子を浜辺が熱演し、さらに人気をアップさせるのかもしれない――。