■万太郎と連名で新種の植物の名づけ親になる!?
今野は井垣に対してキャストコメントにて《井垣目線で作ったらそんなに悪人には映らない可能性もある気がする》と推察している。”自分を悪人と認識していない”という生々しい役柄だと理解して、それをしっかりと演じたということだろう。
「しかし、今回の『らんまん』でも分かるように、今野さんは“ちょっと性格に難があるけどいい人”という役もこなせます。しかも、ギリギリまで善人か悪人か不明瞭にボカして、どちらにも転べるようなニュートラルに演じることできている。『らんまん』の大窪でも、それが生かされています。
そして何よりも、大窪のモデルを考えると、今野さんは今後本格的に活躍すると考えられるんですよね」(前出の女性誌ライター)
『らんまん』は史実を大幅にアレンジしているが、今野演じる大窪のモデルはおそらく植物学者の大久保三郎(1857~1914)だと言われている。
大久保は1889年に、牧野富太郎と連名でヤマトグサを日本で初めて学名をつけて発表した偉業を成し遂げているのだ。日本人が発見した新種に日本人が学名を付けたのは、これが最初だと言われている。
ちなみにシダ類の「オオクボシダ」も、発見者は違うが名前の由来は大久保である。
「そんなキャラを、今野さんが演じている。以前から役者として評価の高い人でしたが、今回の『らんまん』でますます飛躍的にブレイクするのではないでしょうか。
同じ事務所のアンジャッシュの児嶋一哉さん(50)も『半沢直樹』(TBS系)で政治秘書を演じ、大いに話題になった前例もある。児嶋さんが演じたキャラも不愛想でしたが、あれも”先の展開を教えてもらえなかったから、敵味方どっちとも取れる演技をした”と、本人がたびたびコメントしていましたね」(前同)
『らんまん』は神木だけでなく、役者・今野浩喜の代表作になるかもしれない――。