■ドラマ評論家が注目する“隠れたキーマン” 松下洸平の演技力
その中でキーマンとなり得るのが、主演である里奈(松岡)の旦那役・蓮を演じる松下では、と木俣さんは指摘する。
「ドラマのストーリー自体は1年後に里奈(松岡)が生徒に殺される未来を変えていくという構想なんだと思います。そこに松下さん演じる蓮が、どの様に絡んでいくのか。生瀬勝久さん(62)や古田新太さん(57)といったベテラン舞台俳優が多く所属する事務所に籍を置くだけあって、松下さんも舞台出身の演技派。今作でも脇役として、加藤さんや芦田さんに負けない演技を披露するはずです」(前出の木俣さん)
松下の役者としての魅力はどこにあるのか。
「表現力が非常に高いのではないかなと思います。心地よいウィスパーボイスが魅力の松下さんですが、台詞回しは非常に聞き取りやすい。切ない目の表情など細かな演技も魅力です。21年にTBSで放送された『最愛』で吉高由里子さん(34)の相手役を演じ、人気が爆発した今、松下さんが今作で“ただの良い夫”を演じて終わるとは思えません。何か裏があるような演技に期待したい」(前同)
コラムニストでドラマ評論家の吉田潮さんは松下の演技をどう評するのか。
「困っているけど“ノー”とは言えない。そんな表情が絶妙なんです。日本テレビで放送された『トクボウ 警察庁特殊防犯課』(14年)で主人公の朝倉草平(伊原剛志)にこき使われてエプロンをつけて料理をさせられる姿なんて、しいたげられた子犬そのもの。本人が子犬顔だから余計その姿が似合うんです」