■”ネタドラマ”として1月期ドラマトップの高視聴率を記録
『大病院占拠』はまず、放送前は櫻井が従来のイメージと違う役を演じること、鬼の面を被った武装集団「百鬼夜行」は劇中で面を外すまで徹底してキャスト非公開であること、スタッフが過去に韓国ドラマ『Voice』をリメイクした『ボイス110緊急指令室』(日本テレビ系)を手掛けたスタッフであることが注目を集めていた。
そして、いざ放送されると、
“武蔵(櫻井)のアクションや走るシーンが明らかに慣れておらずもっさりしている”
“3階から落ちたのに『落ちたのが生け垣だった』という理由で武蔵がほぼノーダメージ”
“窓から落ちた女性を間一髪救う場面の腕がどう見ても間に合っておらず『腕が伸びたのか?』と話題に”
などなど、演出や脚本面の粗さにツッコミが殺到したのだ。
また、Sexy Zoneの菊池風磨(28)を筆頭に、キャストをシークレットにして謎を煽っていた「百鬼夜行」のメンバーも、熱心なファンの考察でかなり早期の段階でバレてしまっていた。
「特に”どう見ても間に合ってない腕”がSNSでバズったことで、笑えるB級ドラマとして興味を抱いたファンが急増。“1度は見てみよう”と言う空気になり、しかし見ると“意外に面白い”“ドキドキハラハラする”となって、純粋にドラマを楽しむ層の確保に成功したんです。
『大病院占拠』は同クールの各局の連続ドラマでトップの好成績を記録する大ヒットとなり、最終回の4.2%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)を筆頭に、テレビ各局が重視する13~49歳のコア視聴率も高かった。特にツッコミどころ満載の第2話がSNSでバズり、第3話は4.9%という高い数字を記録していました。
しかも、その副産物で、直前に放送している櫻井さんの冠番組『全国ご当地ニュースバラエティー SHOWチャンネル』の視聴率も、ドラマ放送中は爆上げ状態だった。日テレが大喜びしたのは言うまでもありません」(前出の制作会社関係者)