■BPOが「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ」を問題視

「ケツバット」を巡っては、放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会が2021年8月、「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ」について審議対象とすると公表。青少年委員会は番組を特定せず、同年9月から実質的な審議を行ない、委員会としての考えをまとめる予定だとした。

 そして2022年4月、制作者に配慮を求める“見解”を発表。刺激の強い薬品がついた下着を芸人に着せ、痛がる様子をほかの出演者が笑う番組、深く掘った穴に芸人を落とし、最長で6時間放置するというドッキリ番組などを例に挙げ、こうした演出が青少年の形成途上の人間観や価値観に影響を与える危険性を指摘した。

「ただ、ここ最近はコンプラを必要以上に気にする空気感も収まりつつある感じがします。朝のバラエティ番組『ラヴィット!』(TBS系)では毎日のように“電流ビリビリ椅子”を使った企画をやっていますし、松本さんもBPOに苦言を呈したことがありました」(前出の放送作家)

■追悼・熱湯風呂でBPOに抗議!?

 2022年5月の『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演した松本は、同月に急逝したお笑いトリオ・ダチョウ倶楽部上島竜兵さん(享年61)を追悼するとともに、次のように語った。

「ダチョウ倶楽部の芸とかお笑いがテレビではやりづらくなってて。そういう思いとかジレンマとか、“痛みを伴う笑いがダメ”と言われてしまうと熱湯風呂とか熱々おでんとかもできない。僕なんかはあの芸が有害なんてちっとも思わないし。それだけが理由とは思わないですけど“BPOさん、どうお考えですかね”ってちょっと思いますね」

 2022年9月10日と11日に放送されたフジテレビの大型特番『FNSラフ&ミュージック~歌と笑いの祭典~』の第1夜のエンディングにはダチョウ俱楽部の肥後克広(60)と寺門ジモン(60)が登場し、同月8日に誕生日を迎えた松本を祝福した。

 肥後から「松ちゃんにプレゼント」と切り出されると、熱湯風呂が登場。松本が「もう絶対嫌やって。実は(やったこと)ないと思う」と嫌がるも、熱湯風呂を初体験。口から熱湯を吹く流れも含め、上島さんの立ち回りを全うした。

「松本さんが自ら体を張ってBPOに抗議したようにも見える一幕でしたよね。各局、コンプラには厳しいですが、BPOの見解も出て整理されつつあるとも言えそう。過剰に意識する時期は過ぎたとも言えそうで、そうした空気感もあり、やはり今年の大晦日に『笑ってはいけない』の放送があるのではないか、と言われているんです。

 ただ、松本さんをはじめ、番組は超秘密裏に準備が進められますから、本当に放送するとなっても公式にアナウンスがあるのは例年通り11月に入ってから、ということになるはずです」(前出の放送作家)