■ホラー界にジャニーズが増えてきた事情

 前述した映画のなかには、ジャニーズJr.が共演者として名を連ねた作品も複数ある。前出の映画ライターが、ホラー界にジャニーズタレントが増えてきた現状について続ける。

「そもそもホラー映画は若年層がターゲット。またホラーは構成や演出の力が大きいため、演技力の未熟なアイドルでも起用しやすいとされています。加えて、ファンは好きなアイドルが恐怖に怯える顔という普段見られないギャップを目にすることができる。

 AKB48が女性アイドルグループを盛り上げていた10年ほど前は、AKB✕ホラーの作品が量産されました。前田敦子さん(32)と成宮寛貴さん(40)のW主演映画『クロユリ団地』(13年)は観客動員数68万人越えの大ヒット作となり、それを受けて、ジャニーズもホラー界に若手を多数送り込むようになったのです」

 ホラー業界としても新しい観客層である若者を呼び込みたいという狙いがあり、積極的にジャニーズタレントを主演に起用。その他、若手タレントにも白羽の矢は立ち、木村拓哉(50)と工藤静香(53)の次女であるKoki,(20)は『牛首村』(22年)というホラー映画で主演を務め女優デビューしている。

 若手アイドルやタレントのファンが見に来てくれるのは大きなメリットだろうが、懸念も大きいという。映画配給会社関係者は、「ホラーファンが満足しているかどうかは別問題」だと話す。