■ホラー界の厳しい現実「ファンがますます離れる」
「制作側は今が“旬”のジャニーズタレントを起用すれば、少なくともそのファンが見てくれると考えがち。それも一部正しくはあります。でもそれ以前に、もともと“ホラー映画のファン”というのが存在する。
そしてホラー好きとしては、アイドルが出ているホラーは“そんなに怖くならない”経験を重ねてきてしまっている。“アイドル主演なら見ない”と、最初から距離を置くホラーファンが出てきています」(配給会社関係者)
アイドルが出るホラーは怖くならないのは“あるある”だという。たとえば現在公開中の『忌怪島』。西畑ファンのなかには一人で10回以上鑑賞する猛者もいるが、見に行ったホラーファンのレビューは《全然怖くない》《途中で寝た》などと酷評が並び、初登場8位、2週目には圏外でなかなか厳しい状況になっているようだ。
前出の映画ライターは、「あるレビューサイトで、“カレー好きなんだよねって言ったのに紹介されたのがラーメン屋でそこのカレーラーメンが美味いって言われた気分”という投稿があったのですが、まさにそう」だと話す。
「ホラーファンからしてみれば、純粋にホラーとしては物足りない。かといってアイドルに興味はないということ。ホラーだと聞いて映画館に足を運んだところ、ジャニーズファンばかりで居心地が悪かった、という人もいますね。西畑さんはNHKの朝ドラ『ごちそうさん』(13年度下半期)、『あさが来た』(15年度下半期)などにも出演し、演技派として高く評価されている。
それゆえに“爆死”のイメージがつくのはもったいない感が否めません。もちろんホラーが悪いわけでは全くない。アイドルやタレントがホラーなら主演を務められるという安易な話に乗っかると、厳しい結果が待っていることもあるという話です。
ホラー映画はホラー好きが観る分、目が肥えた観客も多い。一方で演技力はそこまで求められず、出演までのハードルも高くはありません。しかし、ホラー好きを納得させかつ、自身のファンにも納得してもらうようなホラー作品を仕上げるのは、実は超難関なんです」(前同)
ジャニーズタレントが安易にホラー作品に出まくると、「俳優」としての価値に傷がついてしまう?