■“別班”関係者疑惑の浮上している2人

 1つは、捜査関係者が太田の生存と事件解決について、柏手を打ち、全員で神棚に祈りをささげる場面。ここでは鈴木も頭を下げていたが、その後、鈴木は手で十字を切り、キリスト教信者であることが示唆されている。これだけなら第1話で「他人の宗教を尊重する日本人のほうが珍しいんだ」という阿部寛(59)演じる公安部・野崎守の発言も相まって《日本の多様性、宗教への寛容性が描写されているのでは?》とも考えられるのだが、鈴木はその後に不自然な行動をしている。

「公安が山本を追跡していた際、鈴木から新庄浩太郎(竜星涼)に尾行を引き継いだタイミングで山本が姿を消してしまったんです。そこには黒須(松坂)の手引きがあったのですが、鈴木を演じている内野さんは子役出身で演技派であることも手伝って、《これは裏切り者ですわ》《この人も別班の可能性高そう》という声が視聴者の間でも浮上しています」

 次に、小日向演じる長野は “防衛大出身で、経歴に空白の期間がある。自衛隊で別班に所属していたのでは?”と野崎に疑われていたが、第4話で“薬物に手を出してしまい、空白期間に更生施設に入っていた”という裏付けが取れたため別班疑惑が晴れた。しかし、“このままでは終わらないだろう”と考える視聴者は非常に多い。

「長野が本当に無関係だった場合、第3話で根掘り葉掘り乃木の過去を詮索していた説明が付かないのが、まず1つ。

 そして何より、第4話で別班疑惑が晴れ、公安の取り調べが終わる場面で、非常に意味深な怖い笑みを浮かべていた。そのため、《まだ秘密抱えてるんじゃない?》《別班で乃木たちとは別に潜入してたか、テントの人間じゃないかと思う》という声が多いです。超演技派でこれまでなんども黒幕を演じてきた小日向さんが長野を演じていることも、当然、疑惑を後押していますよね」

 そして、乃木が別班だとすると、これまで乃木が行なってきた“善行”の意味が大きく変わる登場人物がいる。

「第1話から乃木と交流を持ち、第3話以降ファロー四徴症の手術のために来日したバルカ共和国の少女・ジャミーンです。第4話の前半では、乃木がクラウドファンディングでジャミーンの手術費用をねん出しようとジャミーンの主治医・柚木(二階堂ふみ)に提案する場面もありました。これまでは乃木が柚木に惚れていること、乃木がお人好しな性格であることから自然な言動だと思われていました」